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ChatGPTのコーディング&データ分析機能をビジネスに活用するには

January 25, 2025

はじめに:ChatGPTによるデータ分析とプログラミング

みなさんは「ChatGPT」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?多くの場合は「AIと会話できるチャットツール」や「文章を自動生成してくれる便利なサービス」といった認識が一般的かもしれません。しかし最近では、ChatGPTがさらに進化し、データ分析やプログラミングのサポートまでこなせるようになってきています。

実際にChatGPTを使ってみると、テキストで指示を出すだけでPythonのコードを提案してくれたり、複雑なデータセットの扱い方を「会話」を通して教えてくれたりと、まるで頼りになるアシスタントのような働きをしてくれます。もちろん、ビジネスシーンでこれをうまく活用すれば、大幅な生産性向上が期待できるでしょう。

なお、過去にCode interpreter(Advanced Data Analysis)と呼ばれていた機能はその後ChatGPTの内部機能となり、特殊な設定がなくとを扱えるようになりました。

本稿では、「ChatGPT によるデータ分析、プログラミング実行とは何なのか?」という疑問を軸に、その概要や実際の活用プロセス、さらには導入時に押さえておきたいポイントなどをまとめて解説していきます。この記事を読めば、ChatGPTの新たな一面を知り、その可能性にワクワクすること間違いなしです。ぜひ最後までご覧ください。

ChatGPTとは?基礎からおさらい

ChatGPTの基本概要

ChatGPTは、OpenAI社が開発した対話型AIモデルです。従来のチャットボットのように定型文を返すだけではなく、人間の言葉を理解し、生成系AI特有の高度な自然言語処理によって柔軟に文章を作り出すことができます。

具体的には、以下のような特徴があります。

豊富な知識量: インターネット上の膨大なテキストデータを学習したため、多岐にわたるトピックに対応できる

会話の文脈を保持: 一度のチャットだけでなく、やりとりの文脈を踏まえて回答を調整する

文章生成能力が高い: 単なる回答にとどまらず、エッセイやブログ記事など、構成や文体を考慮した書き出しが可能

これまでの「チャットボット=問い合わせ対応」的なイメージを覆すのが、ChatGPTの魅力でもあります。

無料版と有料版(ChatGPT Plus, Pro, Team, Enterprise)

ChatGPTには無料版とChatGPT Plus(有料版)があります。無料版でも十分便利ですが、有料版にはいくつかのメリットが存在します。

・高速な応答速度

・混雑時の優先アクセス

・より高度なモデルの利用(GPT-4o, OpenAI o1など)

特にビジネスや開発の現場で、安定した稼働や高度な回答が求められる場合、ChatGPT plusやEnterpriseを導入する選択肢も検討する価値があるでしょう。

OpenAI APIとの連携

ChatGPTを自社システムなどに本格的に組み込みたい場合、OpenAI APIの活用がポイントとなります。APIを利用することで、WebアプリやモバイルアプリなどからChatGPTの機能を呼び出せるようになり、チャット画面に限定されない幅広いサービスを展開できるようになります。

たとえば、社内向けのサポートシステムに組み込んだり、顧客対応チャットに応用したりと、さまざまなシナリオが想定できるでしょう。

ChatGPTによるデータ分析とは?

なぜChatGPTでデータ分析が可能なのか?

「テキストのやり取りに強いAIが、なぜデータ分析までできるのだろう?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかしChatGPTは、プログラムコードの生成能力やそのコードを改善する能力を備えています。

たとえば「Pandas(※データ分析に使われるツール類)でCSVファイルを読み込む方法を教えて」とChatGPTに尋ねると、そのコード例や実行手順、注意点まで丁寧に説明してくれます。さらに、「データが欠損値まみれなんだけど、どう処理したらいい?」と聞けば、実際のPythonコードや一般的な分析手法(ドロップ、置換など)を提案するのです。

実際の分析プロセス

ChatGPTを使ったデータ分析は、概ね以下の流れで進めることが多いでしょう。

データ読み込み

たとえば「import pandas as pdでCSVファイルを読み込むにはどうする?」と質問すると、pd.read_csv('filename.csv')のコードが返ってくる。必要に応じて区切り文字(delimiter)の指定や、エンコードの指定方法も提案してくれることがあります。

前処理(クリーニング)

欠損値(NaN)の対処、文字コードの問題、外れ値の検出といった作業にもChatGPTが活躍。曖昧な部分を質問しながら進められるため、初心者が陥りがちなエラーを回避しやすいメリットがあります。

可視化・要約

MatplotlibやSeabornなどのライブラリを使ったグラフ表示についても、「どんなグラフを描きたいか」をChatGPTに伝えると、コードの雛形をそのまま提案してくれます。棒グラフや折れ線グラフ、散布図などの基本的な可視化はもちろん、複雑なヒートマップなども要望を伝えることで自動生成してくれる場合があります。現段階では複雑すぎる場合には出力がうまくいかないケースが多いようです。(2024年12月現在)

洞察・仮説立案

これまで人間のアナリストが得意としていた「データからの洞察」は、今のところ完全にAI任せにはできない部分が多いです。ただし、ChatGPTはデータを要約したり、トレンドを指摘したりするうえでは強力なアシスタントになるでしょう。たとえば「収益が増えた時期のデータに共通点はある?」と質問すると、CSVの内容を推測しながら傾向を指摘してくれます。

分析結果の可視化例

実際に画像を出力してみましょう。ここまでの流れを実施した場合、例としては以下のようなソースコードを与えます。

Sample code:

# 必要なライブラリをインポート

import pandas as pd

import matplotlib.pyplot as plt

# データフレームの作成

df = pd.DataFrame({

    "Category": ["A", "B", "A", "B"],

    "Sales": [100, 200, 150, 250],

    "Date": pd.date_range("2023-01-01", periods=4, freq="D")

})

# 1. データの基本情報を表示

print("=== DataFrame Info ===")

df.info()

print("\n=== DataFrame Head ===")

print(df.head())

# 2. 統計量の確認

print("\n=== Describe ===")

print(df.describe())

# 3. カテゴリ別の平均売上を算出

category_mean = df.groupby("Category")["Sales"].mean()

print("\n=== Category別平均売上 ===")

print(category_mean)

# 4. 棒グラフの作成

#   Jupyter Notebookなどを使う場合は %matplotlib inline を使用すると

#   ノートブック上に画像表示できます(ここではコマンドライン実行を想定)。

category_mean.plot(kind="bar", title="Average Sales by Category")

plt.xlabel("Category")

plt.ylabel("Average Sales")

plt.tight_layout()

plt.savefig("category_mean_plot.png")  # 画像として保存

plt.show()

出力結果を出させてみましょう。

コンソールの出力例は以下の通りです。

※非エンジニアの方:コンソールとはプログラミングを実行する環境と思っておいてください。ここでは読み飛ばしていただいても大丈夫です。

実際のグラフ出力は専用のソフトで綺麗に出ますが、ChatGPT上でのイメージとして以下のように出力されます。

実際にはJupyter NotebookなどでChatGPTが提案したコードをコピー&ペーストすれば、数秒でグラフを生成可能。思いついたら即座に試せる手軽さが魅力です。


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ChatGPTによるプログラミング実行とは?

チャットでコードを生成し、実行するメリット

データ分析だけでなく、ChatGPTはプログラミング全般をサポートしてくれます。たとえば、Webアプリケーション開発や機械学習モデルの構築など、さまざまな場面でコード生成を頼ることができるのです。

具体的なメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

コードの効率的な学習: コードを書いてはエラーになりがちな初心者が、AIのサンプルコードを参照して学ぶことでスムーズに習得できる

リファクタリング(書き換え)や最適化: 既存のコードをChatGPTに見せて「もう少し最適化できない?」と頼むと、冗長な部分を削除したり高速化の方法を提案したりしてくれる

多言語サポート: PythonやJavaScriptを始めとし、C++やRustなどさまざまな言語に対応可能(ただし最新仕様への対応はモデルのバージョンによる)

トラブルシューティングとデバッグ

プログラミングで壁にぶつかる大きな要因のひとつは、エラーやバグへの対処です。ChatGPTはエラーコードやスタックトレース(エラーの内容)を入力すると、その原因や解決策を提案してくれます。特に、初心者が理解しづらいバグの原因を、人間向けにかみ砕いて説明してくれることが多いのはありがたいところ。

ただし、すべての提案が正解とは限りません。ときには的外れな回答をする場合もあるため、常にテストをしながらChatGPTとやり取りすることが重要です。あくまでも賢い補助ツールとして位置付け、最終的な判断は開発者自身が行いましょう。

注意点

ChatGPTを活用したプログラミング支援には、いくつか留意すべきポイントがあります。

完璧なコードを保証しない: 生成されるコードに誤りや非効率な部分が含まれる可能性がある

セキュリティ面への配慮: アクセストークンやAPIキーなどの秘匿情報をそのままやり取りすると、情報流出リスクが高まる

ライセンスや権利関係: 生成されたコードがオープンソースのライブラリを使っている場合、そのライセンス条件の確認が必要

こうした点を踏まえたうえで、チャットによるプログラミングのアシスタントを上手に活用していくと良いでしょう。

プログラミングコードの実行例

先ほど例に使用した「Smaple Code」をリファクタリングしてもらってみましょう。Pythonで書いたコードですが、より実行速度などに優れたC言語に書き換えてみます。

以下のようにPythonとC言語の違いについて説明しながら書き換えてくれます。

実際のコードは以下のように出力されました(長いので後半省略)

コードの出力後に出力コードの説明もしてくれます。(こちらも少々長いため後半省略)


ChatGPTは、文章生成やQA対応といった従来の使い方だけでなく、データ分析やプログラミング支援にも大きな可能性をもたらすAIツールです。テキストベースの対話を通じてコードを提案し、データの可視化までサポートしてくれるため、初心者でもスピーディに成果を出しやすいのが魅力となっています。

一方で、完璧なコードや分析結果を保証してくれるわけではない点には注意が必要です。生成されたコードをそのまま信用するのではなく、テストやレビューを行って安全性を確認することが大切です。また、セキュリティ面でも機密情報を直接やり取りしないよう配慮しましょう。

企業や組織で導入を検討する際は、まずは目的を明確にし、小規模なデータやコードから試してみるのがおすすめです。ChatGPTを活用することで、これまで膨大な時間と手間がかかっていたデータ分析やプログラム開発が、より身近かつ高速に進む時代が到来しています。


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