みなさんは新人のころ「メンター」と呼ばれる方がいらっしゃいましたか?会社によってはOJT(On the Job Training: 仕事現場で人材育成を行う制度)の担当者や、単に直属の先輩と読んでいるかもしれません。こうした方々を「メンター」(mentor)と呼びます。(教えられる方を「メンティー」と呼びます)英語で教師や先生の意味ですが、仕事を始めた初期に基本的な仕事のやり方を教えたり、早期にチームに馴染めるように導く役割を担います。メンター制度は、多くの企業や組織で導入されている人材育成プログラムです。しかし、その効果的な運用が難しく、失敗する場合があります。この記事では、メンター制度が失敗する理由と事例、そしてその対策について解説します。
なお、ここでは社員の育成、早期退職の防止、チームワークの醸成などを目的とした制度の相性として「メンター」という言葉を利用します。そのほかにも、「エルダー制度」「ブラザー・シスター制度」「チューター制度」などが会社によっては存在しますが、ここでは対象者が主に新人であること、目的に重複する部分が多いことから、同種の制度として解説していきます。
※Teamsを活用した新入社員・異動者のキャッチアップについては以下の記事でも詳しく解説しています。
Teamsを活用した「育成・研修」の方法とメリット・デメリット
メンター制度は広範囲に取り入れられている制度であり、その効果は立証されていますが、正しく運用していない場合には効果を発揮しないケースがあります。ここではまず、こうした失敗ケースをみていきましょう。失敗するケースは以下の4つです。
①メンターとメンティーのマッチングが不適切
②メンターの能力やスキルが不十分
③メンター制度の目的が明確でない
④メンティーの目的、責任感が欠ける
それぞれ事例とともに詳しくみていきましょう。
メンターとメンティーの相性が合わない場合、双方のモチベーションが低下し、メンティーの成長につながりません。適切なマッチングができない場合、メンター制度はうまくいかない可能性が高いです。ここでのアンマッチングの原因は様々ですが、以降に示す問題以外の場合は純粋に性格やスキルが合わない場合や、そもそも利害対立のある関係であるケースが多いです。ある大手飲料メーカーのケースですが、この企業では当時ダイバーシティの一環として進められるようになった、女性社員のキャリアアップ支援として女性幹部がメンターとなる制度を導入しました。しかし、メンターとメンティーの相性が合わないケースが多く、双方のモチベーションが低下してしまったことが原因の一つでした。また、メンターが抱える業務量が多く、メンティーに十分な時間を割くことができなかったことも、メンター制度が失敗した原因の一つでした。
メンターになる人は、単に経験や年齢が上の人を選ぶのではなく、能力やスキルにも注目する必要があります。メンターが適切な指導力を持たず、メンティーにとって価値のあるアドバイスを提供できない場合、メンター制度は成果を上げられないことがあります。ある大手ネット系企業の場合ですが、新入社員の教育にメンター制度を導入しました。しかし、導入した現場ではうまくいかないケースが頻発。人事や部長以上の上層部もメンター、メンティー双方の適性が理解できておらず、メンターとメンティーのマッチングがうまくいきません。、メンティーはメンターに相談することができず、自己研鑽をすることが多くなってしまいました。また、メンターの能力にも問題があり、的確なアドバイスを提供できなかったことも原因の一つでした。結果として、メンティーの育成につながる効果はあまり得られず、メンター制度は失敗に終わりました。数年後、コーチング研修などのスキル研修を経て再度制度が開始されました。
メンター制度は、組織や企業の目的に沿って設計されるべきです。しかし、その目的が明確でない場合、メンター制度は失敗する可能性があります。目的が明確でないと、メンターとメンティーの双方が何をすべきか理解できず、メンター制度が成果を上げられないことがあります。
大前提としてメンティーは、自分自身の成長に対する責任感を持つことが重要です。しかし、メンティーの責任感が欠けている場合、メンター制度はうまくいかない可能性があります。メンティーが指示待ちであったり、メンターのアドバイスを実践しなかったりすると、メンター制度は成果を上げられないことがあります。
4つの失敗ケースを避け、自社のメンター制度を成功させるために必要な施策を説明していきます。各失敗ケースへの解決施策が複数あるため、各施策のタイトル横の括弧内に対応する失敗ケースの番号を記載します。合わせてご参照ください。
メンターとメンティーの相性をよく考慮し、適切なマッチングを行うことが重要です。そのためには、双方の希望や要望をしっかりと聞き取り、相性の良い組み合わせを見つけることが必要です。前述の私の過去所属企業のように、社歴の薄いメンバーをメンターとしてアサインする場合などは特に注意が必要です。双方のキャリアの思考や性格上の特性を把握している直属の上司などを交えてマッチングを行いましょう。メンティーが新卒の場合などは、入社して早々にメンターをつけるのではなく、一定期間(3ヶ月程度など)は直属の上司が面倒を見て、本人の適性を把握することも有効です。
メンターになる人を選ぶ際には、経験や年齢だけでなく、能力やスキルも重視する必要があります。また、メンターには指導力が求められるため、選択に慎重になることが大切です。メンター側もマネジメント、コーチングスキル向上にあまり積極的でない(エンジニアリングなど専門職としてスキルを磨きたい)場合もありますので、事前によく確認しましょう。
メンター制度を導入する際には、目的を明確にし、その目的に沿って設計することが必要です。目的が明確であれば、メンターとメンティーは何をすべきか理解しやすくなり、成果を上げることができます。一般的には以下のような目的を事前に設定することをおすすめします。できるだけ定量的に把握できるようにすることをお忘れ無く。
・新規メンティーの早期業務参加(戦力化)
・メンティーの早期退職率の低減
・チーム内のコミュニケーション活性化
・メンティーの問題早期解決によるモチベーションアップ
・メンターのコーチング、マネジメントスキル向上
・メンティーのチームビルディング助成
etc..
メンティーには、自分自身の成長に対する責任感を持つことが重要ですが、メンター制度を導入する際には、そのことを事前に説明し、責任感を促すようにすることが必要です。メンティーになる方は将来的には組織のマネジメントをになることになるケースも多いとも思いますが、そうでない場合でも組織メンバーとして、前述のメンター制度の目的を理解させ、組織貢献の工場を期待する旨よく説明し、理解してもらいましょう。
メンターには、メンティーに十分な時間を割いて指導することが求められます。そのためには、メンターの業務負担を軽減する対策が必要です。具体的には、業務の優先順位を調整したり、アシスタントをつけたりすることが考えられます。また、今回メンターにはならなかった他のチームメンバーの理解も必要ですので、事前に調整しましょう。特に、制度を導入したばかりでメンター、メンティーになったことのないメンバーが多数いる場合、メンターであることの負担を直感的に理解できないケースも多いので、マネージェーが率先して調整しましょう。
メンター制度では、メンターがメンティーにフィードバックを行うことが業務上の大前提です。しかし、フィードバックが適切でない場合、メンティーの成長につながらず、メンター制度の効果を発揮できません。そのため、メンターがフィードバックの方法を学び、フィードバックを重視するようにすることが必要です。これはコーチングスキルと言い換えても良いものですが、メンタリングを行う内容によっては単純にフィードバックを返すだけでも十分な場合があります。フィードバックがない状態が続いてしまうと、次第に会話自体が発生しなくなってしまうので、最初は内容が伴わなくても良いので率直に思ったことをフィードバックしてみましょう。ただし、あくまでもメンティーの成長のために行う活動ですので、ポジティブなフィードバックになるように心がけましょう。
最後に、メンター制度の課題全体に関わる施策です。メンター制度は一時的なものではなく、長期的に継続することが重要です。そのためには、制度の組織への定着を目指すことが必要です。定期的な評価や改善点の洗い出し、継続的な指導力の向上などの施策を実施する他、メンター制度の経験者を徐々に増やし、有効性を理解してもらう必要があります。有効性の理解に最も手早いのが「3.メンター制度の目的を明確にする」で出てきた導入目的を定量的に把握し、施策の成果として誰もが認めるものにすることです。実施には数字以上の効果が出てくると思われますが、関与したことのない、制度自体に懐疑的な人の参加意欲を高めるには効果的な施策になります。
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メンター制度は、企業の人材育成において非常に有効な手段です。しかし、制度導入前に目的を明確にし、マッチングや選択、負担軽減などの対策を適切に行うことが重要です。また、メンター制度は一時的なものではなく、定着を目指すことが大切です。これらの対策を講じることで、効果的なメンター制度の実現が可能となります。本稿が皆様のビジネスのお役に立てますと幸いです。
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