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「社内SNS文化」を定着化させるための効果的な方法と対策<事例付き>

August 20, 2022

社内SNSを導入したのに「風通しが悪い。。」

みなさんの会社では社内SNSを導入していますか?最近流行りの社内SNSを導入したのはいいけど、社内からこんな声は聞こえてこないでしょうか?

「社内SNS?使ってないよ。何のために使うの?」

「社内SNS頑張って発信しているのに周りは反応してくれないんだよね。。。」

「たいそうなもの導入したみたいだけど、社長のありがたい言葉を発信するだけでしょう?」

などなど。みなさんが導入を担当した情報システムや経営責任者なら聞きたくない言葉ですね。上記ほどではないにしても、導入したものの、なかなか活用できずに困っている方がおおいのではないかと思います。本稿では、こうした社内SNSを導入したはいいものの、社内にどのようにその利用を根付かせる事ができるかをお伝えします。

社内SNSが会社に文化、業務として根付かない理由は大きく以下のようなものです。

①社内SNSを導入した目的が社内に浸透していない

②社員が使いこなせるだけのスキルを身につけれていない

③サポート体制が不十分

④社員が使うだけのモチベート(効果に期待を抱かせる)が十分でない

それぞれの課題と対応策について見ていきましょう。

※社内報や社内SNSについては以下の記事でも詳しく解説しています。

社内報ツールの選び方のコツ【‍DXの基本ツール】

社内SNSとしてYammerを使うメリット・デメリット(Teamsとの比較)

対策①社内SNSを導入した目的を社内に浸透させる

最も典型的な課題は、社内に社内SNSを導入する目的が浸透しておらず、なぜ使うのか理解できていないことです。通常、どのようなシステムであれ、導入に先立って組織内部で何らかの問題が認知され、解決策としてツールが導入されるケースが多いと思います。営業の顧客管理をする、工場の労務管理をする、経理の発注システムを自動化するなど、日々の業務と直結する業務ツールの効果や導入目的は比較的理解されやすいものですが、社内SNSやイントラネットのように社内のコミュニケーションを活性化させるようなツールは必ずしも業務に直結せず、直感的にはその効果が実感されにくいものです。導入に際しては、導入の目的、期待する効果、社員にどのように活用してほしいかを明確に伝える必要があります。既に導入済みの場合でも再度お伝えする機会を設けましょう。

導入目的として特に伝える必要があるのは以下のようなポイントです。

1.そもそもどのような課題を感じて導入に至ったか
2.期待する効果は何か?
3.社員に対してどのような行動を期待するか?
4.結果て的に社員から見た際にどのような効果を感じてほしいか

後述する社員のモチベーションにもかかわってくる部分ですが、新しいツールが導入されること事態に抵抗を感じる方も珍しくありません。導入目的を明確に伝え、社員の社内SNSへの参加を促しましょう。

対策②社員にSNSを使いこなすスキルを習得させる

次に検証するべき課題は社員が使いこなせるだけのスキルが身についているかどうかです。ツール環境が整っていたとしても、社員が存分に使えるだけの教育を受けていなければ使うことが難しいです。社内SNSを導入するとなると、一般にPCは貸与され、メールなどよく使われるツールは既に使われている会社が多いかと思います。会社によってはスマートフォンも導入されていることでしょう。基本的には一般的なパソコンスキルがあれば、社内SNSの基本機能は使いこなせると思いますが、他の社員との交流を楽しみ、コミュニケーションの円滑化やナレッジ蓄積場所として機能させるなど組織的な成果を得る部分まで活用させるとなると難しいところです。機能を使いこなす部分以外に、以下のようなスキルを身につける必要があります。

・自分の業務の中で共有した方がメリットの大きい事項を見出し、共有するスキル
・自分に役立つナレッジを発見し、活かす技術
・業務に直接関係なくとも社員間でラポール※を築く技術
※調和した関係、心が通じ合う関係

一見すると、通常のコミュニケーション能力があれば問題ないように見えますが、文章にして誰かに見せるとなると文章力も必要になりますし、他のメンバーから内容に関してツッコミが入ることもしばしばです。また、どうしても人間関係の軋轢が生じる場合もあります。まずは気軽にやれるないようから始められるように、このページを読んでくださっている皆様から投稿を始めましょう。

対策③サポート体制をつくる

次に起こりがちなのが、サポート体制が不十分である場合です。

みんな日常でもTwitterやFacebookを使っているだろうし、サポートなんて必要ないのでは?と思われるかもしれませんが、そうではありません。社内SNSは機密情報を保持するためにさまざまなルールが必要ですし、ツールによって画面構成が異なります。また、アプリケーションとしての社内SNSを使うためには、PCやスマホなどの機器を十分に整備しておくことも必要です。特に以下のような点でサポート体制を作っておく必要があります。

1.導入の手引き書(いわゆる「はじめにお読みください」の手続き書)
2.社内SNSに関するFAQ
4.問い合わせ窓口の設置
5.ツールのメンテナンスなどに関する情報提供
6.社内SNS内部で生じた問題の解決期間

上記の1〜5については主に情報システム部門で対応する内容になります。どのようなツールであれ、おおむね同じように準備をすることになると思いますので、特別問題はないかと思いますが、6に関しては社内SNS独特の問題であり、システム的なサポートだけでは十分ではありません。社内SNSはコミュニケーションツールになりますので、どうしても社員同士の軋轢が生じる場合があります。こうした問題を放置してしまうと、社員はSNSを敬遠してしまい、徐々に使わなくなってしまいます。一律の解決策がなく、この問題に対処する必要がありますが、面倒な作業ととらえず、むしろ社内の問題を早期に発見できたとも言えますので、マネジメント層が中心となって積極的に問題解決に向かいしましょう。


※researcHR(リサーチャー)は、Teams/Slackに追加するだけでチームの「誰が・何を知っているか」を集約・共有するアプリです。


対策④「SNSを使うモチベート(効果に期待を抱かせる)」を持たせる

最後に、社員を十分にモチベートできているか確認しましょう。社内SNSを活性化させるには基本的に何かの情報を投稿し続ける必要があります。それも、一部の社員だけが盛り上がっているような形になってしまうと、それ以外の人々は「ああ、あのツールは〇〇の人たちが使うツールなのね」となってしまいます。そもそも社内SNSを一部の部署で使う前提で導入しているのならそれでも良いのですが、基本的には全社、または1事業部など広範囲での活用を意図して導入していると思いますので、想定する範囲で満遍なくモチベートできるようにしましょう。

社員をモチベートしていく方法ですが、まず大前提として「①社内SNSを導入した目的が社内に浸透していない」に対処をし、導入目的が周知されていることが前提です。その上で以下の点を考慮し、実際に対策を実施しましょう。

1.評価や報酬など具体的なインセンティブと結びついている?
2.社員同士の会話を推奨する行動規範を設定できているか?
3.社員同士の交流が業務改善や学習など目に見える効果に現れているか?
4.業務外のレクリエーションなどストレス解消の場になれているか?

1と2については制度上の課題であるため、導入を推進したマネジメント層や経営者が主体となり、積極的に人事制度として整えていきましょう。特にインセンティブや評価との連動は効果的です。

大手ベンチャーの事業企画部長としてご活躍の方からお聞きした事例ですが、社内SNS上でどれだけ他の社員の課題解決に貢献したかがAIによって点数化され、業績評価に反映されていたそうです。具体的には、「〜について詳しい人いない?」「〜という課題がありまして」という投稿に対して返信し、課題が解決されると、解決された側は役に立ったアドバイザー側にバッヂを送ることができます。バッヂを送った人だけを集計して評価をするだけですと、良質なアドバイスができるようになる前にモチベーションが切れてしまう可能性がありますので、アドバイスを送っただけでも一定の評価が紐づくようになっていました。こうすると、言うなれば社内SNSの中で、誰がどの分野に詳しいかがわかるようになります。また、社員に対して影響力のある人物、いわゆるインフルエンサーが誰なのか、コミュニケーション能力の高いメンバーは誰であるかがわかるようになります。つまり、社内のエキスパート人材と、マネジメント人材候補がわかるようになるのです。しかも面談などの定性的な判断とは異なり、実際に行った活動がベースになっていますから、定量的な数字で明らかであることはもちろん、社内SNS上で実際に他の社員に良い影響を与え続けた人なので、昇進・昇給に対する他の社員の納得感も非常に高いものになります。

社内SNS活性化のためのTips

本稿の最後に、本質的な活性化のための制度というほどではないですが、経営者やマネジメントレイヤーでできる日々の活性化のためのTipsをいくつかご紹介して締めくくりにしたいと思います。

①社長・事業部長が毎日呟く

責任者クラスが積極的に活用している姿を見せましょう。長い文章でなくとも大丈夫です。むしろ本当に「呟く」程度のことの方が社員もまずは使ってみようという気持ちになりやすいです。たわいもないことを呟いてみましょう。

②同じ趣味のメンバーでグループを作る

仕事とは関係ない、趣味のサークル活動の情報交換用のグループを作ってみましょう。日々社内SNSを開く習慣の一助になります。筆者は怪談が大好きだったので、某掲示板にちなんで「死ぬほど洒落にならない怖い話を集める会」というグループを運営していました(笑)

③真面目な学習グループも作ってみる

仕事とは直接関係しないまでも有益な資格取得のグループなども良いでしょう。MBAや宅建、情報処理技術者試験、TOEICなど国家、民間問わず資格試験などのグループを作ってみましょう。

④コミュニケーションをできるだけ社内SNSで行う

社内では既にメールやイントラネットなど複数のコミュニケーションツールを利用していると思いますが、社内でコミュニケーションをする場合、できるだけ社内SNSを使うようにしましょう。ツールの利用を習慣付けることができます。

いかがでしたでしょうか?社内SNSは導入は一瞬ですが、会社に根付かせるのはなかなか大変なツールです。本稿が皆様のビジネスの一助に成れますと幸いです。

※社内報や社内SNSについては以下の記事でも詳しく解説しています。

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