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「社内問い合わせ管理ツール」を定着化させるためのコツ【業務効率化するために必要な視点とポイント】

September 15, 2022

前記事では社内問い合わせをどのように効率化するべきか幅広くご紹介しました。

参考:「社内問い合わせ」を削減して業務を効率化する方法

今回の記事ではツールを使って社内問い合わせを管理・効率化する方法についてご紹介します。

社内問い合わせを効率化する要諦は、単純に問い合わせ数を削減することではありません。単純に減らすのではなく、本当に必要な問い合わせが必要なタイミングで実施でき、効率的に回答できるようにすることが重要です。社内問い合わせを効率化するには、前稿の通り組織的な対応も可能ですが、合わせてツールを導入することでより効率的な運用が可能になります。社内問い合わせ管理ツールを導入し、社内問い合わせの更なる効率化を目指しましょう。

※Teamsを活用した社内FAQの運用については以下の記事でも詳しく解説しています。

Teamsで社内「問い合わせ」を管理する方法と注意点<画像付き>

社内FAQ管理をTeamsで完結させる方法【作り方・運用方法まで】

社内問い合わせツールが注目される背景

どうして今社内問い合わせツールなのでしょうか?背景として大きな変化が3つあります。

・リモートワークが標準になりつつあること
・IT&AI技術が一層進化したこと
・フリーランスなど社外メンバーのマネジメントが必要になったこと。

まずはリモートワークの標準化です。コロナ禍は収まりつつあり、オフィス回帰も進んでいますが、リモートワークの利点が知られるようになり、自宅で作業することが増えました。MTGなどはその最たる例で、Web会議がベースになったことによって移動時間がなくなり、よりたくさんの会議を詰め込めるようになりました。社内コミュニケーションがより手軽になったのは良いことですが、ちょっとしたことでも問い合わせできる利便性から、コミュニケーションコストが上がってしまった会社も多いのではないかと思います。

次に、IT、AIの進化が更に進んだことが挙げられます。ITツールの中でも特に進化したのがナレッジマネジメントツールと社内問い合わせツールです。ナレッジマネジメントツールは従来は一部の開発組織でしか使われておらず、あくまでも専門組織のためのものと思われていました。しかし、営業やスタッフ部門でも使い安いUIの物が増え、その利点が広く認められるようになりました。そのため、業務知識を文章で残すことに徐々に抵抗がなくなっています。また、社内FAQツールの登場によって、問い合わせの多い内容を自分で検索し、答えを知ることができるようになりました。さらに、こうした文章をAIが取り込むことで、一般にチャットボットと呼ばれる物が進化しました。簡易な質問であればAIが自動で答えることができるようになるAIツールです。これらの登場によって、利用者は全ての問い合わせの回答を自分で探す必要がなくなり、より簡単に使うことが出来るようになりました。

また、マネジメントの変化も顕著です。派遣社員やフリーランスなど、社員以外をマネジメントする機会も増えてきました。また、こうした社員もリモートでマネジメントする機会が増え、社内での問い合わせも必要になった結果、社内の事情に精通していないメンバーが効率的にコミュニケーションを取れるように配慮が必要になりました。こうした背景もあり、ツールを用いて社内問い合わせを効率化する必要性を上げています。

ここからは社内問い合わせツールを実際に導入する際のポイントを解説します。以下のポイントを考慮して導入するツールを決めましょう。

①最適化したい社内コミュニケーションは何か?どのような業務か?
②社員のリテラシーはどの程度か?(どの程度使いやすさが重要か?)
③導入済みのツールは何か?(連携したいか?)

ポイント①最適化したい社内コミュニケーションは何か?どのような業務か?

最も重要なのは、自社の要求する業務効率化に必要な機能の種類と提供機能とその特徴が合致していることです。まずは適応したい業務の内容を再確認しましょう。効果が得やすい業務と得難い業務があります。特に効果の得やすい業務は以下のような特徴がある業務です。

・頻繁に部署間でコミュニケーションが発生すること
・専門部署以外の部署では日常的には必要のない知識を提供すること
・頻繁に内容を更新する必要のないこと

具体的には、情報システム、ITヘルプデスク、経理、法務などが挙げられます。また、当然ながら大規模な会社ほどこうした部署への問い合わせは増えますので、すべての特徴に合致しない部署でも導入を検討する価値があります。

実際にお聞きした内容ですが、その方がメガベンチャーに勤めていた際に法務部門への問い合わせを効率化するため、チャットボットを含めた社内問い合わせツール、FAQツールを導入したことがあったそうです。もともと社内向けの問い合わせページがあったのですが、その会社ではベンチャーらしく毎年数十の大小新規サービスが立ち上げられており、事業を立ち上げるに際して各サービスごとに法務問い合わせが発生していました。法務部門は社員だけでは回せず、外部の法律事務所とも提携していたのですが、増えつ続ける問い合わせに業務が逼迫してしまい、結果的に業務効率化のためにFAQツールを順次作成することとなりました。法律の解釈部分になりますので本当に新しい領域以外はおおむね法律的な解釈が変わることはなく、FAQが充実するまで時間はかかったものの、外部の法律事務所に委託する部分は大幅に減らすことができ、また、社員は簡易な問い合わせだけなく重要な問題に取り組むことができるようになったため、社員の仕事への満足度も上昇したそうです。

逆に、適さない業務の代表としては事業企画や営業企画など、ルーティンワークが少ない業務です。個別の対応業務がほとんどであり、FAQを作成したとしても解決せずに結局個別対応が必要になります。(企画業務自体を効率化するためのナレッジマネジメントは有用です。)

ポイント②社員のリテラシーはどの程度か?(どの程度使いやすさが重要か?)

適応する部門は専門部署であることが多いと思いますが、参照する部署の社員はほぼ全社員になる可能性があります。そのためツールの使いやすさ、ユーザーインタフェースは非常に重要な要素です。また、管理機能の部分にも着目しましょう。どのような問い合わせが多く発生しているか、どのようなFAQがよく見られているか、参照している社員はどのような人かを確認することで、社員教育などにも生かすことができます。例えば、新入社員や新規のキャリア採用社員が請求書の支払いに関するページを頻繁に見ていた場合、入社時の社員研修で説明に抜け漏れがあるのかもしれません。また、分析に際しては単純にFAQツールやナレッジマネジメントシステムの中身を分析するだけでなく、それ以外のコミュニケーション内容を確認することも重要です。FAQを作成する以前に問い合わせの多い業務をリストアップし、FAQコンテンツを作成する際の優先順位づけにも役立ちます。

使いやすさの面では特に機能を確認していきましょ。効率化のために重要なのは主に以下の機能になります。(機能の名称はツールによって異なる可能性があります)

①問い合わせ内容の登録機能
②問い合わせ内容の保存、回答機能
③問い合わせ内容の管理、分析機能
④社内での情報共有機能

上記となります。まず重要になるのは、問い合わせを行う機能(①〜③)です。「問い合わせの登録」

や「問い合わせフォーム」などの名称で提供されます。一般に、メールのように全てを自身で記入する物が提供されますが、ツールによってはテンプレートから問い合わせ内容を登録できる補助機能がついている物や、問い合わせ内容から自動的に回答をFAQページのリンクをレコメンドしてくれる物などがあります。また、チャットbotを導入している場合は、チャットを行うのと同じように問い合わせを行うこともできますので、より扱いやすいです。

次に重要になるのは、情報共有機能です。(④)特に検索のしやすさは、参照者が実際に利用する際の効率に影響します。単純に検索と言っても、検索ワードのサジェスト機能の有無や、検索の方法など(タグを検索するのか、全文検索なのかなど)によって使用感が大きく異なりますので、機能評価の際に注意しましょう。


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ポイント③導入済みのツールは何か?(連携したいか?)

社内問い合わせツールはコミュニケーションを効率化するためのツールですので、もちろんコミュニケーションを行うためのその他のツールとも連携する方が望ましい場合が多いです。対象業務の一般的な質問に効率よく解決するためにツールを導入するわけですが、必ずしもそれだけで解決するとは限りませんみなさんも問い合わせ窓口やチャットボットで問い合わせたものの、解決できずに結局電話やメールで問い合わせた経験のある方もいらっしゃると思います。こうした場合、できれば社内問い合わせツールから直接自社のチャットツールに連携し、質問をスムーズに受け答えできる方が社員の満足度は高まり、ストレスも軽減する事ができます。

代表的なツールはTeamsやSlackなどの社内コミュニケーションツールです。それ以外にも社内SNSなど、社内でのコミュニケーションを行うためのツールであれば連携できる方が望ましいです。基本的にはAPI(アプリケーションインターフェース)を用いて連携しますので、広く一般に使われているツールであれば連携できる場合が多いでしょう。自社にすでに導入済みのツールが何かと、API連携に対応しているかを確認し、導入予定のツールと連携できるか事前に確認しましょう。

社内問い合わせ効率化の壁

ここからは、実際に現場でよくある問題点を解説し、解決に至るためのTIPSをご解説したいと思います。以下の8つの効率化のポイントに沿って順に解説していきます。

①業務の削減、同一作業化の検討

②社員のローテーション

③連携組織の再編成

④サポート社員の育成

⑤問い合わせ窓口の明確化、一本化

⑥社内ナレッジの整備

⑦社内FAQの作成

⑧社内問い合わせ、FAQ、ナレッジマネジメントツールの導入

本稿では社内問い合わせの効率化という論点からお話ししていきますが、様々な部署を巻き込み問い合わせを効率化するためには、社内問い合わせという部署感で共通の業務ではあるもののやや局所的とも言える業務にフォーカスするのではなく、「社内問い合わせを含めて業務全体を効率化する」という姿勢が必要です。それぞれの領域で必要な場面は個別に解説していきます。

①業務の削減、同一作業化の検討

まず最初に検討するべきは、問い合わせの多い業務を無くす、または他の作業をやった際に一緒に処理できるようにして事実上なくしてしまうことは出来ないかということです、とお伝えしました。しかし、このアクションは今回ご紹介する8つのポイントの中でも最も難易度が高いアクションになります。そもそも、対象業務は必要があるために作られているわけですので、安易になくすことは難しいケースが多いです。そのため、社内問い合わせを効率化するためだけの理由では削減できないケースが多くあります。こうしたケースでは、社内問い合わせを削減するため、ではなく、あくまでも「業務を効率化してコストカットをしましょう」という目的で導入を進めましょう。業務コストを削減するという意味では、主に以下のような施策が検討可能です。

1. 業務フローの細分化

業務フローをさらに細かく分けて、細かい単位削減、または同一作業化できないか検討します。

2.業務フローの概念的拡大と類似性発見

業務フローを逆に大きく捉え直し、その他の部署で同じような作業をしていないか確認します。

3.業務フローを通じて得られるアウトプットの再検証

業務フローを通じて得られるアウトプットがそもそも目的に沿ったものであるのか、必要以上に良いものを作りすぎていないか、または要件を満たさないものを作っていないか検証する。特に、過剰品質になってしまっている場合は業務コストが特に大きくなっている可能性もあるので要注意です。

こうした業務削減は、さらに、対象業務を行う人たちに対して「自分達の仕事がなくなってしまうのではないか?」という疑念を抱かせてしまい、誤解させたままにしてしまうとサボタージュ(意図的に作業効率を遅らせる)原因になってしまう可能性もあります。こうした状態にならないために、対象業務を行う従業員に対して十分に説明し、効率化したら作業が順当にふえるので、仕事がなくなることはないことや、他にもしてほしい作業があることなど、対応策を事前に検討してコミュニケーションをしっかり行いましょう。

②社員のローテーション

次に社員のローテーションです。ローテーションは日本企業の総合職では広く取り入れられておりますし、技術職でも様々な技術を身につけるために技術部門の中でローテーションを行う事があるかと思います。こう考えると、特に問題なくできそうに聞こえますが、人事ローテーションは一部の日本の大企業ではまだ残っているものの、ほとんどの中小企業やスタートアップ、外資系企業では既に一般的ではなく、職務要件定義書をしっかり定義し、異なる職種に移動したい場合は転職を含めて検討するのが普通です。そのため、業務効率を上げるためとは言え安易にローテーションは難しく、ここでもやはり「業務効率全般をよくするためにやる」という大前提が必要になります。主な対応策として以下のような施策が考えられます。

1.一時的な人材ローテ(兼務など)

ローテーションというより、単純に部署を兼務しましょうということです。完全に移籍してしまう訳ではないので、組織的にも本人的にも気楽に実施できます。一方で、移動先業務にコミットメントが弱くなるというデメリットもありますので、その点もよく理解して行いましょう。

2.タスクフォース形式での業務交流

複数の部署を取りまとめたタスクフォース形式で改善施策を進めます。こちらも人事的な移動を伴わないため比較的気楽に実施でき、時間を区切るなど制限をつけること、アウトプットを最初に明確にするなどしてコミットメントを強くすることも可能です。

3.間接部門を経由した連携

社長や事業部長直下に業務改善やコストカットの専門部署を設け、専門部署を中心に部署感連携の業務改善を行います。中長期的に業務改善を行う際に有効な手段です。

③連携組織の再編成

連携組織の再編はは波及効果が大きく、業務内容自体も根本的に変更することもできますが、前述の通りこちらも単純に社内問い合わせの効率化というよりもあくまで目的は業務改善、場合によっては事業自体の統廃合など、それ以上の大きな目的の一環として行うのが一般的かと思います。促進する方法としては以下のような施策が考えられます。

1.会社・事業戦略の転換に合わせた再編案提出

戦略転換が起こると、それに合わせて組織も再編される可能性が高まります。従いまして、業務効率を上げるための組織変更もこれに合わせて案を提出し、会社の大きな転換点に合わせて再編を行うように会社を誘導しましょう。

④サポート社員の育成

次はサポート社員の育成です。これまでの施策と比較して、相対的に容易に実行できる施策ですが、それでも課題が発生する事があります。サポート社員というと、比較的簡単にでき、それゆえに今後のキャリアステップのプラスにならないと社員が思ってしまう可能性があります。一面最もなところもあるのですが、社内問い合わせのサポート業務は言うなれば様々な業務の窓口になる事ができ、複数の業務の内容を把握し課題解決の伴走をする社内課題解決のエキスパートです。そのため、必ずしも簡単にできる訳でもないですし、その後のキャリアステップがない訳でもないのですが、契約社員や業務委託会社に任せてしまう会社が多いのも事実ですので、対応策が必要です。一般に、以下のような対応策があります。

1. キャリアステップを明確化しておく

キャリアに不安がある訳ですので、その後のキャリアステップを明確にしましょう。問い合わせ業務のサポート社員として成熟すると、社内の事業に精通し、課題解決・ロジカルシンキング(論理的思考)などのスキルが充実していきます。こうしたスキルは、対外的には営業職、体内的には企画職、秘書業務などで活かせるため、こうした職種を中心にキャリアアップを目指せることを明確にしましょう。

2.作業は業務委託、情報蓄積はナレッジマネジメントツールと割り切る

契約社員や業務委託会社に任せると割り切ってしまうのも一つの手です。特に近年の業務委託会社は、一時的に請け負ってオペレーションを確立した後に社員の教育やツールの導入支援など会社に寄り添ったサービスを展開してくれる会社が増えてきました。こうした請負会社を活用し、情報の蓄積は同じく委託会社と協力してナレッジとして会社に蓄積できるようにすることも一つの選択肢です。

⑤問い合わせ窓口の明確化、一本化

こちらも比較的問題なく導入できる制度だと思いますが、注意するべきポイントとしては部門ごとに既に設置されており、ある程度大きな業務として回っている場合には窓口業務自体の統合やツールの統廃合などが必要になってしまう場合です。こうした場合、部署ごとに説得して行くことになるのですが、部署ごとに必要経費として問い合わせ業務のコストが混ぜ込まれてしまっており、問い合わせ業務のコストカットが重要な課題として認知されていないケースがあります。その場合、統合する際に説得していくのが困難になりますので、以下のような対応策を取りましょう。

1.窓口業務の合計工数を試算

窓口業務に各部署がかけている工数、コストを試算で良いので算出し、会社全体でどの程度窓口業務にコストをかけているか算出します。コスト全体を可視化することで窓口業務を統合した際のコスト削減効果を見える化でき、統合に向けた意思決定を後押しする事ができます。

2.役員など上級管理職を巻き込む

窓口業務を行う各部署を統括する上級管理職を巻き込み、意思決定を主導してもらいましょう。管理職のかたも各部署のトップを説得する必要があるので、論拠として「1.窓口業務の合計工数を算出」と合わせて取り組むと効果的です。

⑥社内ナレッジの整備、⑦社内FAQの作成、⑧社内問い合わせ、FAQ、ナレッジマネジメントツールの導入

こちら⑥⑦⑧に関しては同時に検討することをおすすめします。社内FAQの作成は問い合わせ業務自体をシステム化し、情報として蓄積することで効果的に作成でき、さらにそれを再利用可能な知識として洗練させることでナレッジとして蓄積、ナレッジマネジメントツールを導入することで組織効果的に蓄積する事ができます。こうしたやり方は問い合わせ業務を効率化する際に非常に強力な方法なのですが、社員のITリテラシーと、知識を文章化する能力の大きく2つが必要になるため、導入に際しては工夫する余地が大きいです。主に以下のような施策を検討しましょう。

1.制度、ツール導入のコンサルタント起用

社内FAQやナレッジマネジメントツールはベンダー自体がコンサルを行っているケースや、専門のコンサルタントが存在します。今までこうしたツールの導入経験がない場合は積極的に活用しましょう。細かいつまづきポイントも事前に教えてくれます。

2.社員教育の充実

相対的に高度な知識がレベルが必要になるので、ツールの扱いやナレッジの書き方など社員教育を行いましょう。前述のコンサルタントと相談するのが良いですが、教育プログラムは別途契約する必要があるケースがほとんどです。

3.導入効果の社内PR

社内に導入の効果を広く周知することも有効です。業務改善効果はすぐにコストには跳ね返らず、数字では見えにくい場合もありますが、システム化によって対応時間が大幅に短縮されるなど、それ以上の効果が期待できます。こうした効果は積極的にPRし、導入の有効性を証明していきましょう。ナレッジの蓄積はマラソンのように継続する必要があります。

社内問い合わせ管理用のチャットボットを導入する具体的なステップ

最も効率の良い方法とはなんでしょうか?あくまでも現時点(2022/12)ですが、チャットボット化することです。主に顧客対応にて導入が進んでいますが、問い合わせの自動化という意味ではどのような業務でも導入可能です。

チャットボットはコールセンターなどと比べて相対的に導入コストが安く、導入から実運用までの時間も比較的短く済みます(後述する通り準備は必要です)。

実際にどのように検討していくべきなのか、プロセスごとに見ていきましょう。

(事前に社内QAシステムなどを利用してデータを蓄積しておくと便利です。後述しますが、社内QAシステムを利用して運用できるオペレーションを確立した後に、効率化としてチャットボットを導入するのが最もスムーズです。)

チャットボットを導入するステップは以下になります。

①対象業務範囲、目的を明確にする

②チャットボットに求める機能を設定

③問い合わせの導線準備

④チャットボットツールベンダーを比較検討

⑤試験導入

⑥シナリオ構築

⑦運用体制の確立

⑧チャットボット実運用開始

⑨継続的に運用する

順番に見ていきましょう。

①対象業務範囲、目的を明確にする

まずはチャットボットを導入する目的と業務範囲を再確認しましょう。本稿では社内問い合わせに絞って説明していきますが、チャットボット事態は多用途で導入でき複数の業務をまとめて導入した方がディスカウントを得られる可能性もあります。社内問い合わせで導入する場合、他部署からの質問・問い合わせの多い部署、具体的には経理や法務、情報システム部などが先んじて導入する効果が高いとケースが多いと思われます。導入目的については、基本的には問い合わせ業務の効率化というのが目標ですが、もう少し具体的にしていきます。以下のような指標が効果的です。

自動化率(総問い合わせ件数/チャットボット問い合わせ対応件数)

一定期間あたりの対応件数

②チャットボットに求める機能を設定

実際にチャットボットを導入する部署とも相談し、チャットボットに求める機能を決めていきましょう。基本的には以下のような機能を有しています。

・自動応答機能
・半有人対応機機能(同様のUIで人間も対応可能)
・QA、ナレッジマネジメントなどを行うツールとの連携
etc

大きなポイントとして、AIを搭載しているかどうかがあります。AIを搭載している場合、会話の表現を学習して癖のある文章でも内容を解釈して適切な回答ができますが、AIが搭載されていない場合、あくまでも問い合わせ文章とのマッチングのみになりますので、使い勝手が悪い印象を受けやすいです。

この際、課金形態やツール管理者としての使い勝手なども合わせて確認しましょう。料金形態はさまざまですが、連携するツール数やカスタマイズ性能などで利用料金が決まってきます。また、導入の初期費用や運用のサポート費用なども重要です。特に、事前にFAQを文章で準備してセットアップする必要がありますので、準備する方もかなり手間がかかります。導入部分も含めてサポート体制もどのようなものが自社に必要か確認しましょう。

③問い合わせの導線準備

次は問い合わせの導線の準備です。「導線?」と思われるかもしれませんが、チャットボットはそれ自体が単独で成り立つツールですが、問い合わせは通常社内のイントラや、社内SNSなどから問い合わせされるケースが多いと思います。全く異なるページやURLを解説しても、問い合わせの際に気がついてもらえなくては使われる事がありません。そのため、チャットボットにたどり着くためのユーザーの行動導線を明確にし、事前にどのような条件のもと導入したいかを定義しておきます。具体的には以下のような点を明確にしておくとスムーズです。

・連携させたいツール(社内SNSやイントラなど) → 実際に利用しているツール名をリストアップしましょう

・インプットデータの所在(社内FAQページなど) → データ自体がダウンロード可能かどうかも確認

④チャットボットツールベンダーを比較検討

実際に導入するチャットボットを選定しましょう。「2.チャットボットに求める機能を設定」で必要となる可能性のある機能を決めていると思いますので、これを基準にベンダーを探します。実際には自分たちの業務にちょうど当てはまるベンダーは存在しない可能性もありますが、ベンダーによってはカスタマイズに対応してくれるベンダーもありますので、可能な限り近いツールをリストアップし、料金や「3.問い合わせの導線準備」で示した通り、連携できるツールの種類、サポート体制も含めて総合的に判断しましょう。

⑤試験導入

導入を想定するツールを選定したら、次は実際に導入して使用感を確かめましょう。まずは導入を推進する部署で小さく導入することをお勧めします。ベンダーのよっては無料で利用できる期間を設けているツールもありますので、有効活用しましょう。試験導入の方法として、例えば情報システム部門で導入を推進している場合には、新卒者や新規に移動になったメンバーへのメンタリングやオンボーディング作業で導入し、後輩から先輩への問い合わせ自動化してみるなど、身の回りの小さい問い合わせから実際に運用してみましょう。ベンダーによっては導入検討のしやすい方法を含めて準備して教えてくれるケースもありますので、もしベンダーで準備しているものがあればそちらもお勧めです。ベンダー側は、自分達のツールが最大限効果を発揮する方法を理解してお勧めしてくれると思いますので、他部署も巻き込んで導入を進める場合、効果に対して説得力が高まります。また、運用方法をここで学ぶことで、この後実行する本格的な導入がスムーズになります。

⑥シナリオ構築

次はチャットボットの応答内容となるシナリオ構築をしましょう。ここでいうシナリオとは、質問内容とその回答が一体になったQA形式の物をさしています。チャットボットにAIが搭載されていた場合、質問部分の表記の揺らぎにも順次対応してくれます。揺らぎとは質問の仕方が少し異なる場合でも、対応する回答が表示できるようにする技術です。単純なところでは語尾に「?」がついているかどうかや、対象となる問題事象の名称、例えばPCを普段接続しているVPN(バーチャルプライベートネットワーク)が故障してしまっても、VPNという単語を知らずに単純に「ネットに繋がらない」という質問であった場合、VPN以外でも障害の可能性がありますが、質問の傾向としてVPNの問題が多い場合はVPN部分の回答を最初に表示、それ以外の回答を優先順位を下げて買いに表示するなど対応してくれます。AIが搭載されているかどうかでシナリオ構築の大変さはかなり変わりますし、ユーザーの使い勝手も変わりますので、これを確認した上で構築を進めましょう。

なお、前述の通り構築に際しては、事前に社内QAシステムなどを利用してデータを蓄積しておき、このタイミングで流用しましょう。

⑦運用体制の確立

シナリオを準備したら、次は運用体制を確立しましょう。シナリオをどれだけ準備しても全てを最初から網羅することは難しく、最初はチャットボットの代わりに人間が解決するケースもおおいでしょう。そうした場合にチャットボットに徐々にシナリオとして追加していくことで徐々にチャットボットで解決できる子が増えてきます。また、実際の解決策は、問い合わせの受け答えだけで完結するだけではありません。サポート業務が発生したり、実際に現場に赴く必要があるなど、業務によってさまざまです。チャットボットで問い合わせを受け付けた後の業務体制を確立し、実運用に備えましょう。

⑧チャットボット実運用開始

運用体制が確立出来たら、いよいよ実際の運用開始です。ベンダーに正式運用開始の連絡をし、有償契約に切り替えましょう。チャットボットを「3.問い合わせの導線準備」で準備しておいた導線に設置し、正式に運用開始したことを社内のユーザー部門に通達します。最初はユーザー側も慣れていないので、なかなか使ってくれないケースもあるかと思いますが、使ってもらわないと便利にもなっていかないので、積極的に使ってもらえるようにあkん離職レイヤーのメンバーに依頼しましょう。

⑨継続的に運用する

最後に、継続的に運用していけるように組織文化を含めて改善を続けましょう。チャットボットはデータをAIを利用した、比較的簡単にできるDX(デジタルトランスフォーメーション)です。DXは徐々に日本企業にも浸透し始めましたが、まだまだ黎明期の段階です。こうしたツールを継続的に使いこなすことで効果を時間でき、実際に業務効率を上げる事ができます。みなさんの組織でもぜひ継続することの重要性を説明し、組織全体で取り組める体を整えていきましょう。

いかがでしたでしょうか?社内問い合わせツールは組織や業務プロセスの効率化と合わせて導入することでより強力に効果を発揮します。前稿の内容を改めてご参照いただき、ご自身の会社にとって有効な組み合わせを考えましょう。本稿が皆様の業績向上に貢献できますと幸いです。

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