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Excelで従業員名簿を作成しデータベース化する方法

September 10, 2023

従業員名簿は、労働基準法第107条にて作成および整備・保管が義務づけられている資料です。今回の記事では、エクセルを活用して従業員名簿を作成し、データベース化する方法と、注意点を解説します。

※Teamsを活用した社員のスキル・経験の可視化については以下の記事でも詳しく解説しています。

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Excelの従業員名簿とは

そもそも従業員名簿とは、「労働者名簿」とも呼ばれる帳簿であり、雇用している従業員の氏名や生年月日、業務の種類や雇用年月日などを管理している名簿です。

従業員名簿は、労働基準法第107条にて以下の通り、作成および整備・保管が義務づけられています。

「使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。

前項の規定により記入すべき事項に変更があった場合においては、遅滞なく訂正しなければならない。」

(出典:労働基準法 | e-Gov法令検索

このように、労働基準法で従業員名簿の作成が義務づけられていますので、すべての企業は例外なく従業員名簿を作成しなければなりません。

名簿の作成方式については、紙やデジタルデータなどの特に指定はありません。Excelであればほかの方法と比較して、簡単に作成・編集ができるため、Excelでの従業員データベースの作成が非常におすすめです。

Excelで従業員名簿を作成し、データベース化する方法

Excelで従業員名簿を作成する際は、以下の9つの項目を一覧形式で管理し、データベースを作成しましょう。

  • 労働者の氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 住所
  • 従事する業務の種類
  • 履歴
  • 雇入れの年月日
  • 退職の年月日及びその事由(解雇の場合はその理由)
  • 死亡の年月日及びその原因

これらの項目は、労働基準法第107条「従業員名簿」にて、必要事項と定められています。

(参考:労働者名簿及び賃金台帳の調製と記録の保存 - 厚生労働省

それぞれの項目を確認していきましょう。

従業員の基本情報:労働者の氏名・生年月日・性別・住所

まずは労働者の氏名や生年月日、性別、住所など、従業員の基本情報を管理する必要があります。

生年月日や性別は特殊な理由がない限り、変更は発生しませんが、労働者の氏名や住所については、結婚などを機に変わる可能性があります。

これらの情報について変更が発生した場合は、迅速に修正することが求められます。

従事する業務の種類・履歴

従業員が従事する業務の種類も、従業員名簿の管理項目の一つです。

営業や総務、人事、SEなど、対象者が従事する業務を記載する必要があります。もし人事異動などで業務変更がある場合や、昇進などがある場合は、その都度修正しなければなりません。

そしてそれらの履歴は、詳しく記録しておくことが求められます。

しかし、従業員総数が30人に満たない企業に限り、部署がないケースや複数業務を兼任するケースがあるため、記載は必須ではありません。

各種日付:雇入年月日・退職年月日・死亡年月日

従業員の雇入年月日や退職年月日、死亡年月日も管理対象となります。

雇入年月日は、対象者の雇用を開始した日を指します。当該日によって、有給休暇の発生日が決定するため、正確に管理する必要があります。

また、従業員が退職をした日と、退職理由を合わせて管理することが必要です。退職理由について、従業員都合ならその旨を、解雇ならその自由を詳細に書き留めておかなければなりません。

もし従業員が在籍中に死亡した場合、死亡年月日とその原因を管理しなければなりません。死亡の原因は、それが労災に該当するかを判断するために管理が必要です。

Excelで従業員名簿を作成する際の注意点

Excelで従業員名簿を作成する際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 事業所ごとに名簿を作成する
  • 基本的にすべての従業員の名簿が必要
  • 個人情報を含むため取り扱いに注意する
  • 情報変更する際はすぐに訂正する

それぞれ詳しく解説します。

事業所ごとに名簿を作成する

従業員名簿は、事業所ごとに作成する必要があります。

仮に、東京本社・大阪支社のように事業所が分かれている場合は、それぞれの事業所で従業員名簿を作成・管理しなければなりません。

基本的にすべての従業員の名簿が必要

Excelで従業員名簿を作成する際は、基本的に給与を支払っているすべての従業員について、名簿に記載することが求められます。

もし不足している社員がいる場合は、労働監督署より是正勧告を受ける可能性があるため、注意が必要です。

ただし、以下の場合については、従業員名簿管理の対象外となります。

  • 日雇い労働者
  • 派遣労働者
  • 代表取締役・役員

それぞれ詳しく解説します。

日雇い労働者

日雇い労働者については、労働基準法107条において、従業員名簿への記載義務はありません。

派遣労働者

派遣労働者は、派遣元が従業員名簿の管理を行っているため、派遣先の企業となる自社では従業員名簿の作成・管理義務は発生しません。

代表取締役・役員

代表取締役や役員については、労働基準法上「労働者」に該当しません。よって、従業員名簿の管理対象外となります。

しかし、役員も基本的には社会保険の被保険者であり、社会保険事務所の調査にて、労働者名簿の提出を求められるケースがあるため、注意しておきましょう。

個人情報を含むため取り扱いに注意する

Excelで従業員名簿をデータベース化する際は、氏名や生年月日、住所などの個人情報を含むため、取り扱いに注意する必要があります。

これらの情報について、本人の許可を得ずに第三者に公開することは、個人情報保護法にて違法とされています。

なので情報漏えいしないためにも、社内外問わず、従業員名簿を閲覧できる社員を限定しなければなりません。

もしExcelで管理を行うのであれば、Excelブックをパスワードで保護するか、限られた人しか見えないフォルダへ配置するようにしましょう。

情報変更する際はすぐに訂正する

従業員名簿の管理について、労働基準法第53条にて、「記載事項に変更があった場合は、遅滞なく訂正しなければならない」と定義されています。

もし「結婚して苗字が変わった」場合や、「引っ越しにより住所が変わった」場合は、その都度従業員名簿を変更しなければなりません。

また、人事異動により所属部署や担当業務が変わった場合についても、変更を忘れずに記入しましょう。

また、退職した社員の退職日が未記入のままであることも、是正勧告の対象となります。


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Excelで作成した従業員名簿の保存

最後に、Excelで作成した従業員名簿の保存について、以下2点を解説します。

  • 記録の保存期間
  • 保存方法

ぜひ参考にしてください。

記録の保存期間

従業員名簿の保存について、労働基準法第109条にて、「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間保存しなければならない。」と定義されています。

よって従業員が退職してから5年間は、対象者の名簿を保存しておかなければならない点に注意しましょう。

保存方法

保存方法については特に定められていないため、紙や電子データなど、任意の形式で保存して問題ありません。

注意点として、労働基準監督署の調査時に、情報の提出が求められることがあります。情報が必要なとき・要請があったときにすぐ提出できるような形式で、保存しておきましょう。

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