みなさんの会社では「これぞ我が社の強み!」とはっきり言えるものはあるでしょうか?一般的な企業では何か特殊な技術の蓄積があったり、大口顧客との揺るぎないコネクションがあったりなど、傍目から見てもわかりやすい明確な競争有意というものは意外と無いのが実情では無いかと思います。しかし、会社として存続している限り、実際には何らかの競争優位性があり、お客様に選ばれることによって成り立っています。こうした優位はなにによって成り立っているのでしょうか?答えは「会社が組織として保有する各種業務のナレッジ」です。つまり、特定の技術や業務で競争優位を作っているのではなく、顧客を満足させるための一連の業務を最適化し、各種業務それぞれでナレッジを蓄積徐々に改善しつつ関連する業務との連携を強化することで、会社全体としての競争優位を強化する事ができます。
ここで強化するべきは、
①各種業務(部署)単位でナレッジを蓄積し、改善していけるようにする事
②業務間、部署感の連携部分のナレッジを強化し、連携をスムーズに行う事
ということになります。では、ナレッジとはそもそもなんでしょうか?みなさんはSECIモデルという概念をご存知でしょうか?SECIモデルとはナレッジを創出する循環プロセスを表した理論です。
注)知識創造企業, 野中郁次郎氏著作より
循環している図ですが、ナレッジを生成している最初のキッカケは「内面化」です。まずはメンバーの個々人が目の前の業務をこなしながらより上手にやるノウハウを蓄積します。こうしたノウハウや前提は、同じ環境で仕事をする他のメンバーも共有しており、徐々にメンバー全員が似たような経験をしてノウハウをみんなが持つようになります。これを共同化といいます。蓄積されたノウハウを他のメンバーに共有するのが「表出化」です。部下や後輩の指導などがこれに当たります。この際には言葉にしたり、文章にするなどで意図的に誰かに伝える必要があります。こうして生み出され、文章などのコンテンツになったノウハウをナレッジと呼びます。こうして蓄積されたナレッジを複数組わせ、新しい商品や業務を生み出すことを「連結化」と呼びます。こうして生み出された商品や業務を日々の業務に組み込み実践することで内面化し、新しいノウハウを生み出し、また新しいサイクルに入っていきます。ここでもう一つポイントになるのは「暗黙知」と「形式知」です。
暗黙知とは、「経験や勘、直感などに基づく知識」「簡単に言語化できない知識」「言語化しても、その意味が簡単には伝わらない知識」「個々人が言葉にされていないものとして保持している知識」などと定義され、簡単にいえば特定の個人や小集団が作り出したノウハウです。
形式知とは、こうした暗黙知をを誰かに伝えれるように文章や図などに落とし込み、組織の中で共有できる状態にしたナレッジのことです。形式知を暗黙知にすることで組織が拡大し、新人が増えても業務の質を落とすことなく拡大できます。また、特定の部署をナレッジ化することでその他の部署のナレッジと組み合わせることで新しい商品を作り出したり、劇的に業務のコストを減らす事ができます。本稿の以降の節ではこのように暗黙知を形式知化する際のポイントと具体事例を解説していきます。
ここからは暗黙知の形式知化(表出化)の具体的なポイントについてお話ししていきます。暗黙知は定義にもあります通り、基本的には個々人のメンバーの頭の中にナレッジとして存在していますので、文章などで表現をする必要があります。また、ナレッジを獲得した際に経験した業務環境を共有していない相手にも共有する必要がありますので、同じ組織の後輩などに説明するのとは異なる説明方法をとる必要があります。こうしたことを前提に、形式知化は以下のようなステップで進めましょう。
①「共同化」している暗黙知の特定・収集
②文章化、図解などのスキル獲得 or メンバーアサイン
③知識体型へと議論、集積
④ナレッジへのアクセス性向上
順番に詳しく見ていきましょう。
まずは共同化し、組織として有効な暗黙知として定着している、またはし始めている暗黙知を収集します。ここで注意点があります。有効な暗黙知は組織の形態、特性によっては個人の暗黙知となっている可能性があります。注意するべきは同一組織の中に競争があるかどうかです。組織のメンバー間で競争が激しい場合、同じ組織のメンバーでも競争している場合、自分の自分のノウハウを教えようとは思いません。そのため、組織共通の暗黙知として定着しているケースは少なく、個々人のノウハウを共有する仕組みを意図的に設計する必要があります。組織内部に競争がない場合は、共通して利用されている暗黙知を選別して採用する必要がありますので、逆に一部の人に使われていないなどの状況がないか確認しましょう。そうしたケースがある場合、ナレッジとして有効に機能する前提があり、そうした情報も合わせてナレッジ化する必要があります。以上を認識した上で、具体的にはそれぞれ以下のような施策を打っていきましょう。
具体的には営業組織やコンテンツ作成、ディレクション部門などです。メンバーへのインセンティブがあるかどうかも大きなポイントです。
1.アイデア、事例コンテスト
事業改善方法や営業手法などのナレッジをアイデアとして収集します。四半期や半年などビジネス周期に合わせて定期的に開催し、優勝者には賞金を出すなど組み合わせることで有効に機能します。
2.インセンティブの設定
ナレッジとして共有した場合インセンティブを出すことも有効です。資金的に余裕があれば有効なアイデアかどうかにかかわらずに出すことで集まりやすくなります。
3.期間教育担当者の設置
期間を定めた教育専任者を設定するのも有効です。元々営業のエースを新人やキャリア採用者の教育担当者として任命し、一定期間教育のみを行わせます。この際、何を教えるのかは本人に任せ、自分の暗黙知を棚卸ししてもらいます。副次的な効果ですが、教育者としての仕事に従事することで教えられたメンバーからも尊敬され仕事にやりがいを感じやすくなります。また、教育に携わることで日々の業務でも教えるということを意識して業務をするようになります。
バックオフィス業務を行う部署はこちらに該当します。ほとんどの場合、特に障害なく暗黙知で有効な物は共有されている傾向にありますので、以下のような施策で十分に暗黙知を集める事ができます。
1.ナレッジ共有の定例会を設定
隔週など業務に無理のない範囲で定期的に開催するナレッジ発表会を実施しましょう。担当者を決めて最低1アイデアなど本数を決めておくと良いでしょう。新人が発表者の場合、スキップするのではなく学んだことを発表するだけでも有効です。
2.教育担当者の設定
共同がない場合でも教育担当の設置は同じく有効です。副次的効果である教育者を経験することで業務のナレッジ化を意識する効果は競争がある場合に比べて高い可能性があります。
次は集めた暗黙知を文章にするために必要なスキルをメンバーに身につけさせましょう。最低限の文章を書くスキルは持っていると思われますが、わかりやすい文章をかけるかというと人によっては苦手な事も多いです。また、図解となると、これも苦手な人が一定数おり、メンバー個々人に任せるのは無理のある場合が多いです。そもそも、文章を書くことや図解するのが苦手で暗黙知になってしまっているケースもありますので、こうした場合には以下に示す通り外部の専門ライターの活用も検討しましょう。
まずはサンプル文章を書いて、書き方のテンプレートを準備しましょう。何を書くべきかを列挙するだけでも有効です。仕事の内容によって書くべきポイントは異なりますが、主に以下のような内容を論点として記載しましょう。
a.期待できる効果
→ そのナレッジを実施するとどのような効果が期待できるか?どの程度見込めるか?
b.対象業務の範囲と具体的なアクション
→ 有効な業務範囲はどの程度か?実際に何をすれば良いか?
c.ナレッジを生み出した考え方
→ どのようにそのナレッジを生み出したか?読んだ人にさらにナレッジを生み出すための示唆を与える
文章を書くのが苦手な社員が多い職場である、日常的にPCを使う機会が少ないなど、職種や業種によってはそもそも文章を書くのが困難な場合もあります。そういった場合には外部ライターやコンテンツ制作会社の活用も検討しましょう。YouTubeの影響で動画制作も比較的安価に作成する事業者も増えてきており、文章を読むのが日常でない職場でもお昼時に動画を見れるようにするなど形式知を共有する幅が広がっています。また、「1.文章化、図解方法の標準化」の最初の段階にテンプレート作成部分を支援いただくのも一案です。
ある程度形式知が蓄積し、パターンも見えてきたら次はナレッジとして体系化しましょう。基本的には部署や職種ごとに集められていると思いますので、一定のパターンが見えてきたらカテゴライズ(同じ種類のものを集める)から初めていきましょう。ナレッジの種類にもよりますが、以下のような視点でカテゴライズするのがおすすめです。
・どのような業務範囲のナレッジか?
・どのような効果があるか?
・具体的にどのように実行するか?
・必要とする前提知識や道具は?
etc..
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最後に集積した形式知へのメンバーがアクセスしやすい状況を整えましょう。よくある問題として、Excelやパワーポイントなどで作成したものの、どこのフォルダに保存されているのか分からず、情報に辿り着けないといった課題です。こうした状況を防ぐには、情報へのアクセス性が高い状態でナレッジを蓄積しておくことですが、検索できる状態にしておくのが最も一般的な解決策になります。Googleでネット上の情報を検索できるようにしておくのが社員も慣れた手法であり、有効です。そのためには形式知を社内Wikiや社内コラボレーションツールなどを使って記述するのがおすすめです。Confluenceなどのナレッジマネジメントツールがこうした機能を網羅しており、最も有効ですのでぜひ検討しましょう。
いかがでしたでしょうか?暗黙知の形式知は継続的に実施することで会社への貢献度を大幅に高める事ができます。本稿がみなさまの業務改善に役立てますと幸いです。
※効率的なナレッジ共有の方法については以下の記事でも詳しく解説しています。
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