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導入後失敗しない"社内用"FAQツール(システム)の選び方

June 26, 2022

コミュニケーションコストを削減することが出来る”社内用”FAQツール

FAQ、FAQツールというとみなさんは何を思い浮かべるでしょうか?一般的には消費者向けの商品、サービスに関するFAQを会社のオウンドメディアに掲載したり、PRをする際に記者向けのFAQページを作ったりと、社外に向けた情報発信の一環として作られることが多いのではないかと思います。社外への情報発信はもちろん重要ですが、コミュニケーション、特に専門的な内容や、通常業務ではあまり使わない業務に関する知識は社内の専門部署に連絡を取ることが多いのではないでしょうか?

例えば情報システム部門。会社で使っているパソコンやスマホが急に使えなくなった場合みなさんはどうしますか?現在はリモートワークが増え、以前であれば情報システム部門に実際に持っていって直してもらうなんてことも出来たと思いますが、現在はすぐに持っていくことも出来ません。できればすぐ治してもらいたいですよね?それでは電話!ですが、大抵定時までしか対応してくれず、そういう時に限って残業中にトラブルになったりします。そこで、とりあえずメールしてみようとなりますよね。朝になって返信を確認すると意外と再起動しただけですんなり治ったりなど。。。そんなことなら一々問い合わせせずにどこかに直し方書いといてよって思ったことありませんか?

社内向けFAQツールはこうした場合に効率的に情報を届けられるだけでなく、コミュニケーションコストを削減し、本来集中したい業務に時間を割りあてることが出来るようになります。

※Teamsを活用した社内FAQの運用については以下の記事でも詳しく解説しています。

Teamsで社内「問い合わせ」を管理する方法と注意点<画像付き>

社内FAQ管理をTeamsで完結させる方法【作り方・運用方法まで】

リモートワークが普及したことで社内用FAQツールが注目されるように

どうして今社内用FAQツールなのでしょうか?背景として大きな変化が3つあります。

・コロナ禍でリモートワークが増えたこと
・ナレッジマネジメントシステムが進化したこと
・IT&AI技術が一層進化したこと

まずはリモートワークの普及です。コロナ禍は収まりつつあり、オフィス回帰も進んでいますが、リモートワークの利点が知られるようになり、自宅で作業することが増えました。MTGなどはその最たる例で、Web会議がベースになったことによって移動時間がなくなり、よりたくさんの会議を詰め込めるようになりました。社内コミュニケーションがより手軽になったのは良いことですが、ちょっとしたことでも問い合わせできる利便性から、コミュニケーションコストが上がってしまった会社も多いのではないかと思います。

次に、ナレッジマネジメントシステムの進化とAIの進化が更に進んだことが挙げられます。ナレッジマネジメントツールは従来は一部の開発組織でしか使われておらず、あくまでも専門組織のためのものと思われていました。しかし、営業やスタッフ部門でも使い安いUIの物が増え、その利点が広く認められるようになりました。そのため、業務知識を文章で残すことに徐々に抵抗がなくなっています。こうした文章をAIが取り込むことで、一般にチャットボットと呼ばれる物が進化しました。簡易な質問であればAIが自動で答えることができるようになるAIツールです。これらの登場によって、利用者は全てのFAQ文章を自分で探す必要がなくなり、より簡単に使うことが出来るようになりました。

以上のような背景により、増加するコミュニケーションコストをナレッジマネジメントツールのUIとAIによって抑えることが重要になった結果、社内用FAQツールが注目されるようになりました。

ここからは社内用FAQツールを実際に選択する際のポイントを解説します。主に以下のような機能を有しています。

①FAQ内容の登録機能
②FAQの検索、参照機能
③問い合わせ内容の管理、分析機能
④社内での情報共有機能

社内用FAQに関しては社外用のツールも流用することができます。また、社内用のコミュニケーションツールと連携することでより効率的な運営が可能です。以上の点を踏まえて以降のポイントをご参照ください。

社内用FAQツールの選び方3つのポイント①最適化したい社内コミュニケーションは何か?機能は適合するか?

最も重要なのは、自社の要求する業務効率化に必要な機能の種類と提供機能とその特徴が合致していることです。まずは適応したい業務の内容を再確認しましょう。効果が得やすい業務と得難い業務があります。特に効果の得やすい業務は以下のような特徴がある業務です。

・頻繁に部署間でコミュニケーションが発生すること
・専門部署以外の部署では日常的には必要のない知識を提供すること
・頻繁に内容を更新する必要のないこと

具体的には、情報システム、ITヘルプデスク、経理、法務などが挙げられます。また、当然ながら大規模な会社ほどこうした部署への問い合わせは増えますので、すべての特徴に合致しない部署でも導入を検討する価値があります。

法務部門への問い合わせを効率化するため、チャットボットを含めたFAQツールを導入したメガベンチャーの実例をご紹介します。もともと社内向けの問い合わせページがあったのですが、その会社ではベンチャーらしく毎年数十の大小新規サービスが立ち上げられており、そのサービスごとに法務問い合わせが発生していました。法務部門は社員だけでは回せず、外部の法律事務所とも提携していたのですが、増えつ続ける問い合わせに業務が逼迫してしまい、結果的に業務効率化のためにFAQツールを順次作成することとなりました。法律の解釈部分になりますので本当に新しい領域以外はおおむね法律的な解釈が変わることはなく、FAQが充実するまで時間はかかったものの、外部の法律事務所に委託する部分は大幅に減らすことができ、また、社員は簡易な問い合わせだけなく重要な問題に取り組むことができるようになったため、社員の仕事への満足度も上昇しました。

逆に、適さない業務の代表としては事業企画や営業企画など、比較的業務に近い分野の企画部門などです。扱う内容が定型業務の物が少なく、個別の対応が必要なケースが太田炒めです。(もちろん会社によると思いますが)

適応部署の業務を見極めたら、機能を確認していきましょう。効率化のために重要なのは、

①FAQ内容の登録機能
②FAQの検索、参照機能

上記となります。最初の段階ではFAQ情報の登録をかなりの工数をかけて行う必要がありますので、登録のための機能が充実しているかは登録業務の効率に影響します。また、検索のしやすさは、参照者が実際に利用する際の効率に影響します。単純に検索と言っても、検索ワードのサジェスト機能の有無や、検索の方法など(タグを検索するのか、全文検索なのかなど)によって使用感が大きく異なりますので、機能評価の際に注意しましょう。


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社内用FAQツールの選び方3つのポイント②ユーザーインターフェースは使いやすいか?

適応する部門は専門部署であることが多いと思いますが、参照する部署の社員はほぼ全社員になる可能性があります。そのためツールの使いやすさ、ユーザーインタフェースは非常に重要な要素です。また、管理機能の部分にも着目しましょう。どのようなFAQがよく見られているか、参照している社員はどのような人かを確認することで、社員教育などにも生かすことができます。例えば、新入社員や新規のキャリア採用社員が請求書の支払いに関するページを頻繁に見ていた場合、入社時の社員研修で説明に抜け漏れがあるのかもしれません。また、分析に際しては単純にFAQツールの中身を分析するだけでなく、それ以外のコミュニケーション内容を確認することも重要です。FAQを作成する以前に問い合わせの多い業務をリストアップし、FAQコンテンツを作成する際の優先順位づけにも役立ちます。

対象となる機能は主に以下のとおりです。

②FAQの検索、参照機能
③問い合わせ内容の管理、分析機能

社内用FAQツールの選び方3つのポイント③連携できるツールは何か?

FAQはコミュニケーションを効率化するためのツールですので、もちろんコミュニケーションを行うためのその他のツールとも連携する方が望ましい場合が多いです。対象業務の一般的な質問に効率よく解決するためにFAQツールを導入するわけですが、必ずしもそれだけで解決するとは限りませんみなさんもFAQやチャットボットで問い合わせたものの、解決できずに結局電話やメールで問い合わせた経験のある方もいらっしゃると思います。こうした場合、できればFAQツールから直接自社のチャットツールに連携し、質問をスムーズに受け答えできる方が社員の満足度は高まり、ストレスも軽減する事ができます。

代表的なツールはTeamsやSlackなどの社内コミュニケーションツールです。それ以外にも社内SNSなど、社内でのコミュニケーションを行うためのツールであれば連携できる方が望ましいです。基本的にはAPI(アプリケーションインターフェース)を用いて連携しますので、広く一般に使われているツールであれば連携できる場合が多いでしょう。自社にすでに導入済みのツールが何かと、API連携に対応しているかを確認し、導入予定のツールと連携できるか事前に確認しましょう。対象となる機能は以下のとおりです。

②FAQの検索、参照機能
③問い合わせ内容の管理、分析機能
④社内での情報共有機能

いかがでしたでしょうか?FAQツールはコミュニケーションを効率化し、コストを下げる効果はもちろんですが、画一化された業務から社員を解放し、より付加価値の高い業務に社員の努力を向けさせ、社員自身のモチベーションを高めることもできる意義の多いツールです。本稿をお読みいただき、皆様の業績向上に貢献できますと幸いです。

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