前稿インシデント報告書・メールのテンプレート(社内・社外)ではインシデント管理に際して報告内容をフォーマット化する事でインシデント報告をスムーズにし、迅速に課題を把握できる状態にする方法をご説明しました。
その際にも軽く触れていますが、報告方法をフォーマット化した際に、フォーマットを登録できるインシデント管理ツールがあるとより効果的です。フォーマット化によってインシデント管理が増えたのはいいものの、当然対処をしていかなくてはならないため、管理、対処までを含めて合理化する必要があります。
インシデント管理と言いますと、重要な課題の報告なので口頭で報告してほしいと思われる方も多いと思いますが、人数が増えるにつれて限界は来ますし、部署によっては日常的に複数県のインシデントが発生する(インシデントの粒度、温度感が異なる)ことも多いため、一定の合理化が必要であり、システムに任せることのできる部分はシステムに任せるべきです。
今回の記事では、インシデント管理ツールの選び方をご紹介します。インシデント管理は簡易的にメールで行うこともできれば、専用のツールを導入して大規模に自動化をすることもできます。いずれも一長一短あり、自社に合ったツールの導入が必要です。本稿をご参照いただき、ツール選びにお役立てください。
※Teamsを活用したインシデント管理・運用については以下の記事でも詳しく解説しています。
TeamsアプリListsで「インシデント管理」を効率的に行う方法
インシデント管理ルーツとはインシデント(現場のお困りごと)を素早く報告し、報告内容を蓄積、対応を促すことで問題の応急処置をするためのツールです。その場で発生した問題に素早く対処して、利用者の本来の業務を滞りなく進めることが目的となるため、根本的な問題解決には必ずしも直結しませんが、一つひとつのインシデントへの対処をナレッジとして蓄積して管理していくことで、インシデントが発生しない状態を保つことができます。ナレッジとして蓄積できる、という点が非常に重要で、どのような現場でどういった種類のナインシデントが発生しているかを数字で把握し、問題の真因を発見、優先的に対応を行うことができるようになります。また、蓄積したデータを共有することで、インシデントへの対応フローが標準化され、会社全体としての業務の効率化が実現できるようになっていきます。多くのインシデント管理ツールでは、このような一連のインシデントへの対応の流れを「チケット」として管理します。リアルタイムでインシデントのステータスを一覧的に可視化することが可能なため、対応漏れや重複対応などを避ける仕組み作りとしても有効です。
インシデント管理ツールは大きく分けると2種類存在します。いずれもチケットを使って管理をする点では同じです。この後ご紹介するツール選択のポイントの際に念頭に置いて読み進めてください。
主にコールセンターや社内のITサポートで使われるツールになります。お問合せ形式のフォームと、回答のためのツールが一体となったツールです。基本的には以下のような機能を有しています。
・質問者自身での問題解決を促すためのQ&A作成支援(情報蓄積)機能
・問い合わせ内容一元管理機能
・リアルタイムで対応状況を一覧を表示機能
・問い合わせ内容の自動振り分け機能
・AIやテンプレートによる回答者支援機能
・質問内容の集計や分析
主に開発プロジェクトなどで使われるツールです。しんんちょくを管理するスケジュールやガントチャートと、それらを構成するタスクを管理します。タスクの一つ一つがチケットとして登録することができ、誰でもチケットを作れますが、プロジェクトマネージャー(責任者)が優先順位を決めて対処して行くことが想定されています。基本的には以下のような機能を有しています。
・タスク(チケット)登録&スケジュール化機能
・担当者アサイン機能
・実行期限アラート機能
・タスクの自動振り分け機能、タグ付け機能
・質問内容の集計や分析
前述の通り、インシデント管理ツールには大きく2つの種類があります。今回解決したい課題がどちらに近いのかをまずは判定しましょう。
問い合わせのあったインシデント情報を管理することに加えて、質問者による自己解決を促すFAQ(社内ナレッジベース)やチャットボットの構築、問い合わせ対応効率化のための問い合わせ内容の自動振り分けやテンプレートによるメール返信文作成といった機能が充実したツールが有効です。前稿の報告フォーマットを使えるかどうかをここで確認しましょう。事前に準備されたテンプレートだけでなく、自作のテンプレートを作成、保存、利用できるかどうかが重要です。事前に準備されたテンプレートも悪くないのですが、インシデントの種類は日々増え続けますので、それに合わせて報告フォーマットも多様化していくのが通常です。テンプレートもアップデートしていけるようにツールを選びましょう。社内からのシステムなどに関する問い合わせだけでなく、社外からの問い合わせや顧客対応までカバーしたい場合には、「カスタマーサポートツール」「サービスデスクツール」として展開しているサービスが適していることが多いです。
プロジェクトの進捗状況の把握、タスクの管理、プロジェクトメンバーの権限管理といった、社内のコミュニケーションを円滑にするための情報共有の機能が豊富なツールを選択する必要があります。また、プロジェクト外のステークホルダーからプロジェクトに対して要望を出す場合にも管理することができます。開発プロジェクトの仕様変更要望や経理や法務への業務対応依頼などさまざま業務で応用できる機能です。インシデントとスケジュールを合わせて、プロジェクトの全貌を可視化し、メンバーで共有することで、インシデントの発生を抑制し、深刻化するまえに取り除くことも可能となります。特に、長期に渡るプロジェクトや関わる人数の多いプロジェクトの場合には、大小様々なインシデントが頻発しがちですので、ガントチャートで進捗確認できる機能を備えたツールの利用が効果的です。
前項でフォーマットとテンプレートについて軽く触れましたが、ユーザーインターフェースの使いやすさの点で最も重要なポイントとなる点です。フォーマット化が進んでいても、実際に使う際に見つけれない、カスタマイズがしづらいとなると現場のユーザーが使わず、ユーザー使わなくては業務の効率化が進みません。
適応する業務範囲にもよりますが、ツール利用の対象になった部署の社員は基本的に全員使うことになります。比較的年配の方や、パーソナリティとしてこうしたツールを使うことが苦手な社員も在籍している可能性がありますので、単純に操作画面の使いやすさや使い方の理解しやすさも事前に確認しましょう。比較的シンプルなツールですが、SaaS型のツールを利用する場合には年々アップデートして機能が追加された結果、かえって理解が難しくなることもあります。定期的に社員が使いこなせているかを確認しましょう。
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次にセキュリティについて確認しましょう。インシデントを管理するということは、自社の顧客情報や業務情報など秘密に属する可能性のある情報をアップロード、解析する可能性があるということです。アップロードされたデータが適切に管理されているか契約内容を含めてよく確認しましょう。顧客サポート業務に適応する場合には、顧客情報が個人情報に当たる可能性もありますので、IOS27001系に準拠しているかなど信頼のおける第3者期間の審査を受けているかなど含めてよく確認してください。
次に実際に活用する際に、該当の事業や部署、業務で利用しているツールと連携できるか確認しましょう。代表的な例として社内FAQツールや、データ可視化のためのダッシュボードツールなどと連携してインシデントの受付以降の対処のためのツールや全体を管理するためのツールと連携するケースなどが代表例です。しかしながら、このポイントをより重視するべきはもっと現場に近い場所でインシデント管理を行うケースです。開発プロジェクトを例にご説明しましょう。
以下の例は実際にあった事例となります。
開発業プロジェクトの場合要件変更をインシデント(チケット)の一部として管理しています。多くの場合、社内のマーケティング部門や顧客企業、パートナー企業など、開発チームとはやや遠いステークホルダからの要求に答える必要があります。こうした変更要求は、実際に受け入れるかどうかに関わらず、一旦要求を受け付けるようにしていました。開発リソースには限りがあるため、全ての変更要求を受け入れるわけではありませんが、どのような要求がそもそもあるのかがわからないと優先順位を決められません。そのため、基本的にアカウントを持っていれば誰でもインシデント報告ができるのですが、報告するからには何かに困って報告しているので、対応しないにしても対応しない理由を明らかにしないと信頼関係に傷がついてしまいます。こうした場合、開発チームの進捗状況やソースコードの追加量、コミュニケーションの状況など、仕事ぶりを共有できる状態にすることが重要です。開発チームがしっかり仕事をしており、その上で優先順位を決めた結果であれば納得感も得られやすいです。従って、インシデント管理ツールと、スケジュール管理ツール(インシデント管理ツールに含まれている場合は不要)やコミュニケーションツールが連携していることは非常に重要です。今現在チームが取り組んでいることはどのようなインシデントに関わる業務で実際に進捗しているかどうかを共有できるようにしていました。
最後に、ツールのコスト感についても確認しましょう。インシデント管理ツールには無償で使えるオープンソースのツール(RedmineやGoogleフォームなど)も存在しており、相対的に見てあまりお金を掛けずに合理化することができます。しかし、当然ながら無償のツールは提供機能は有償のツールと比べて劣るため、適応する業務範囲を考慮して、有償ツールも同時に検討する必要があります。有償ツールもライセンス料金を支払ってインストールして使うタイプや、月額課金で使えるSaaS型などさまざまなタイプがあります。まずはお試しで使ってみるならSaaS型がおすすめですし、最初から長く使うならライセンス型の方もおすすめです。自社の事情に合った料金、提供形態を選びましょう。
いかがでしたでしょうか?インシデントの報告は柔軟性が求められる業務ですが、フォーマット化することでよりスピーディで低コストに対処することが可能です。また、インシデント管理ツールを導入することでフォーマット化されたインシデントをより効率的に運用する事ができます。本稿が皆様の業務効率化に役立てますと幸いです。
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