前項のインシデントをすぐに発見、報告させるするためのルールづくり、マネジメントのコツでインシデントを組織的にうまく対処するために、どのようなマネジメントをするべきかお話ししました。
参考:インシデントをすぐに発見、報告させるするためのルールづくり、マネジメントのコツ
今回の記事では、報告する側であるメンバーにむけて、どのような報告をするべきで、その際に利用できる報告フォーマットについてご紹介したいと思います。
前項ではインシデント報告を迅速に行うために、以下の三点を整備する必要があるとお話ししました。
①報告すべき状況の設定とインシデントの定義
②報告フローと責任者
③報告時の情報の標準化とツールの導入
いずれも重要なのですが、「③報告時の情報の標準化とツールの導入」の中でも情報の標準化の部分はパターンによって様々です。インシデントとは本来想定していない問題の発生や、解決が難しい問題に対しての名称ですので、それを標準化するのはある意味矛盾してますし、カテゴライズするにもある程度のサンプルデータ、事例が集まって行かないと難しいはずです。本来はそうなのですが、どのような企業でも似た傾向の問題はやはりありますし、問題解決の基本的に考え方は共通する部分もありますので、本稿では代表的なケースを元に報告書やメールのテンプレートをご紹介していきます。
※Teamsを活用したインシデント管理・運用については以下の記事でも詳しく解説しています。
TeamsアプリListsで「インシデント管理」を効率的に行う方法
インシデント報告では以下で示すような代表的なパターンがあります。イメージしやすいように、一般的な部署名も含めてテンプレートのご紹介をしていきます。
①顧客からのクレーム(カスタマーサポート)
②会計報告の矛盾(経理)
③作業中の事故(工場、製造現場)
④プロジェクト進捗の遅れ(企画、プロジェクトマネージャー)
順番に詳しくみていきましょう。
前項でもご紹介した、最も典型的なインシデントの発生パターンです。コンシューマー向けの製品を提供している企業では毎日発生していると言ってもも過言ではなく、また、対応を間違えると問題がより深刻化しやすいのも特徴です。
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①対象業務(業務フロー上の名称)
昨年発売したカーナビのお客様問い合わせ対応
②発生した課題の概要
カーナビがご購入後数日で利用不能になっており、お客様からお叱りの問い合わせあり。
返品と料金返却をご希望。
③影響範囲
カスタマーセンター、品質部門、販売部門
④対応期限
◯月◯日
⑤背景
昨年発売した型落ちのカーナビを購入したところ、数日で電源が入らなくなった。販売店で店頭サンプルとなっており、かなり安く売られていたので購入。サンプル品のため製品保証がないことは理解していたが、数日で使えなくなるのはおかしいとお客様からお叱り。
⑥発生理由
店頭デモンストレーション品であったため、本格的な製造前に事前製造した品質が十分でないもの、かつ店頭でサンプルとして利用され続けたものを購入され多様だが、サンプル品は本来小売店に販売しないように依頼していたはずであり、小売店も説明の上で販売したようだがトラブルに繋がっている。
⑦期待する対応策
お客様には弊社のスタンスを説明ずみだが、お怒り収まらず。改めて謝罪すると共に、返品ではなく新品をお送りして弊社の顧客になっていただけるように促す。また、再発防止策を社内で徹底し、小売店に対してより厳格にルールを適応できるように販売部門で検討してほしい。
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次は会計報告の矛盾についてご紹介します。会社のお財布を管理する経理などでよく発生する内容ですが、報告者と原因、解決対応者が同じでないことが主な特徴です。本稿では最もよくある経費精算の場合を取り上げていますが、部署や事業部などの単位でも多く発生するケースです。問題の発生背景や原因をインシデント報告者がわからないため、報告時にはその部分を省き、課題解決の対応者に再発防止などの依頼をすることで繰り返しインシデントが発生してしまう事を防ぎます。
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①対象業務(業務フロー上の名称)
◯年◯月経費精算
②発生した課題の概要
◯年◯月◯日の経費精算申請の金額が領収書と異なっている
③対象者
営業部賃貸住宅営業課 〇〇さん
④対応期限
◯月◯日
⑤対応・確認者
営業部賃貸住宅営業課 課長
⑥期待する対応策
領収書に合わせて申請金額を修正してください。また、再発防止のために課長は申請前に領収書と報告内容を確認するなど、事前に担当部署で矛盾点がないか確認してください。
経理部でも確認していますが、差し戻しと修正のための確認工数が大きくなりますので、可能な限り部署内で対応をお願いします。
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次にご紹介するのは工事や工場などの現場での作業の中でインシデントが発生してしまうケースです。それほど件数が発生することは少ないのですが、人命に関わる事故となっていることもありえる部署ですので、対応には慎重にならなくてはなりません。そのため、問題の原因発見、応急的対応(一旦事態収集)、再発防止策を的確に定める必要があります。
再発防止策はインシデント報告時には不要ですが、からず協議してインシデントのナレッジとして残すことが必要です。
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①インシデント名
カーナビ生産ラインにおける作業員の指切断事故
②発生した課題の概要
カーナビ生産ラインにおける大規模製造装置の設定を誤り、ライン上で作業をする作業員が指を切断する事案が発生。設定上のミスではあるが、作業員も安全確認を怠っており、2つの作業マニュアル項目無視が重なった結果発生した。
③影響範囲
カーナビ製造ライン全体
④発生理由
今年に入り目標生産数が増加し、生産ラインを1つから3つに増やしていた。生産ラインの増加はやや急であったものの、製造実績の多い製品であったために、量産計画の策定は従来の物を使えたため、安心していたが、作業員の増員が間に合わず、教育が十分ではないまま現場に投入してしまった。また、製造装置の設定も3ライン同時に行っており、それぞれ設定内容が異なることから、設定内容の混乱が生じた。
⑥事態収集の対応策
対象の作業員とその家族への謝罪、労災の認定、特別手当の支給をご依頼したい。また、ご家族のお怒りが大きく、身体的な欠損を伴う事故であることから、工場長も含めた謝罪が必要と思われるため、謝罪訪問のご同行を願いたい。
⑦恒久的再発防止施策(後日でも可能)
製造装置の設定は必ず2名の作業員が行い、設定内容の再確認を徹底すること。また、ライン作業員は作業開始時に作業内容に準じた装置設定になっている事を再度確認する事。
また、工場長とそれに準ずる現場監督者は、作業員の学習成熟度を担当ラインごとにクロスチェックし、十分な成熟度に達している事を確認する事
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最後にご紹介するのはシステム開発の現場などでよくみられるプロジェクトのスケジュール進捗遅れです。基本的に遅れに気がついて報告するのはプロジェクトマネージャーやスクラムマスター(アジャイル開発において)などですが、発生要因が社内とも限らず、社内外のステークホルダを巻き込んだ対応が必要になる。。こうした場合、プロジェクトの進捗が顧客企業のビジネス影響を与えるケースや、顧客要望で開発している場合に備えて、応急的な対応を定めて被害を最小限に抑えることと、恒久的な対応策を社内外のステークホルダと協議して合意していくことが必要です。
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①対象業務(プロジェクト名称)
〇〇開発プロジェクト
②発生した課題の概要
約1ヶ月のプロジェクト遅延が発生
③影響範囲
開発部、マーケティング部、広報部
④背景・発生理由
約6ヶ月のプロジェクト全体スケジュールであったが、顧客要望の変更が当初想定の二倍に達しており、変更に対応する工数が増加。スケジュールの遅延が発生した。
⑤応急処置
顧客と交渉を行い、システムの納期を1ヶ月遅らせる、または変更要望を一部取り下げる交渉を行う。弊社としてはいずれでも問題ないが、プロジェクト期間に変更があった場合は契約に従い発生した延長日数分の料金請求になることを顧客にご承諾いただく必要がある。
⑥恒久的再発防止策
契約時に顧客要望の変更回数、工数規模について可能な限り事前に交渉して契約内容に盛り込みます。また、契約時に想定以上の工数が発生した場合に確実に売上として計上できるように、要求変更時に上記の内容を書面におこして記録を残していきます。
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いかがでしたでしょうか?インシデントの報告は柔軟性が求められる業務ですが、フォーマット化することでよりスピーディで低コストに対処することが可能です。また、ナレッジとして蓄積されることで、会社として長期的に問題解決に強い組織になることができます。しっかり対策して組織的な対応体制を整えましょう。本稿が皆様の業務効率化に役立てますと幸いです。
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