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メールからチャットへのスムーズな移行のポイント3選

August 22, 2021

今回は、「コミュニケーションツールをメールからチャットツールへ移行したものの、情報が分散してしまい、むしろ業務効率が落ちてしまう」といった課題に対して、効果的な対処を提案します。

メールからチャットツールへ移行したものの、相変わらずメールの運用が残る場合、業務上のリスクがついて回ることになります。根本原因はメンバーのコミュニケーション手段が2種類併存していること。そして具体的には、以下の業務上の支障が発生することが考えられます。

・情報の見落としが発生する
・情報伝達のスピードが落ちる
・チャットでの業務にアレルギーを持つメンバーが利用しない
・社外連絡との使い分けが複雑になる

このように、チャットツールを利用することでコミュニケーションのスピードアップといった業務効率化を期待しているにもかかわらず、逆に業務効率が下がってしまうケースが見られます。そこで今回の記事では、効果的なチャットツールへの移行手順や、現場の運用例・ノウハウについて解説します。

※チャットツールには、代表的なソフトウェアとして、Teams、Slack、Chatworkなどが普及しています。本記事ではTeamsを取り上げますが、その他のチャットツールも機能の大半は似通っているため、本記事の内容は汎用性のあるものになっています。

①「社内のやり取りはチャットに集約し、社外とのやり取りのみメールを使う」という運用

Teamsに完全移行するのであれば、極端な方法であれば、メールソフトをグループウェアから削除すれば済んでしまいます。しかし、社外の取引先との連絡として、チャットツールは最適とは言えません。なぜかというと、Teamsは対話形式のコミュニケーションツールなので、ビジネス文章を意識したコミュニケーションには適していないからです。

例えば、取引先への連絡に、挨拶を省いた簡易的なメッセージを送ることは、ビジネスの上で適切でしょうか。取引先との関係性にもよりますが、取引先を含め、外部との連絡は丁寧にメールで行うことがベターな選択であると言えるでしょう。

さらに、取引相手がTeamsを利用していなければならないという課題もあります。しかし、社内のコミュニケーションツールはTeamsに一本化しています。その上で、メールソフトも残す必要があります。

では、Teamsとメールソフトとの使い分けとして、どのような運用を行えば良いでしょうか。

最もシンプルな方法は、メールソフトをインストールする端末を限定すること。次に、外部メールを送る専用の共用アカウントを設けることです。

上記の方法を用いることで、社内コミュニケーションはTeamsへの一本化が可能です。さらに、メールは外部メールに限定し、利用ユーザーも共用アカウントの設定により限定しているため、社内情報の漏洩や送信ミス等のセキュリティ課題への対策にも効果的です。

②Teamsへの移行チームが主導し、地道に浸透させる取組み

Teamsの利用を活性化させるために有効な方法として、Teams移行チームの活動が挙げられます。社内のコミュニケーションをTeamsに一本化する一方で、惰性的にメールの利用が減らない場合があります。

例えば、現在までのメール文化・慣習、新しい取り組み・変化への反発などの様々な要因で、メールの運用を完全に排除できないことが考えられます。

このような事態を解決するために、Teamsの利用を勧奨し、メールからの移行を進めるのが、Teams移行チームです。移行チームは何名かのTeamsに精通したメンバーで構成します。可能であれば、管理者層の嘱託チームとして権限を強く持たせましょう。

移行チームの役割は以下の通り多岐に渡ります。

・経営陣や幹部層に積極的に利用してもらい、旗振り役を依頼
・Teamsの有用性をアピールし積極的な利用を勧奨
・メールからの速やかな移行マニュアルを整理しユーザーをサポート
・段階的な移行の計画を立案、周知
・利用状況をモニタリングしテコ入れ
・利用ガイドラインを作成し濫用を防止
・Teams移行チームのトークルームを作成し、ヘルプデスクとして活動

上記の役割を移行チームが担い、粘り強く活動を続けることが大切です。中でも重要なのは、幹部層からのトップダウンでの利用勧奨という後ろ盾を活用することです。幹部層からのメッセージがTeamsの対話形式で送られてくると、一般社員は緊張を覚えるかもしれません。

しかし、幹部層が利用しているということは、かなり強い説得力を持ちます。さらに、副次的な効果として、幹部層を巻き込んだTeamsの対話型コミュニケーションが、社内の風通しの良さの醸成に寄与します。幹部層を巻き込むという作戦は、是非とも有効活用していただきたいです。

例示したTeams移行チームの施策は、全てが即効性のあるものではありません。しかし、Teams移行メンバーが、地道な活動を徹底して継続すること。これが、Teams移行への堅実な道となります。是非、Teamsの機能に精通したメンバーを揃え、完全移行を目指しましょう。


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③メールで運用が残っているものを一覧化して、社内ポータル等にまとめる運用

やむをえずメールを一部継続的に利用しなければならないケースがあります。例えば、取引先等への外部メールに限らず、既存のメーリングリストやメールソフトを利用した社内システムがある場合です。

また、社内のグループウェアがTeamsと互換性がない、または低い場合。理想としては、本記事の冒頭に挙げたリスクを避けるために、早々にTeamsに全て移行すべきなのです。

しかし、Teamsに置き換えるのには設計から刷新するなど一定の期間が必要です。そのため、メールでしか行えない業務は当面存置しておかなければ、業務に支障をきたします。このような場合、当然メール運用を継続する必要があります。

一方で、社内としてはTeamsへの移行を目指しているなかで、利用者は混乱し、業務効率の低下を招くことがあります。そこで、Teamsへの完全移行に向けて、計画を作成しましょう。まず、メールを利用している業務を見える化することです。

次に、Teamsへ機能を移行する時期を明確化し、ロードマップを作成します。担当者をアサインした後、社内ポータルサイトに掲示し、周知し、順次Teamsで利用できるように仕組みを作っていきます。

上記の流れで、メールを利用している業務をTeamsへ移行させます。また、どうしてもTeamsで実現できない機能についても、同様にポータルサイトへ掲示します。

Teamsとメール、どちらを利用するのか明示することで、利用者の混乱は最小にできます。Teams等のチャットツールによるコミュニケーションは、今後の社内コミュニケーションのスタンダードになります。

本記事で挙げた3つの例、解決方法を参考に、社内コミュニケーションのロスを目指しましょう。


本記事はKBE(株)がresearcHR(リサーチャー)を提供する過程で蓄積された、現場の声やノウハウ・事例をもとに作成しております。

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