すべて
Teams
社内情報共有
タレマネ
人材育成
ツール導入ノウハウ
すべて
Teams
社内情報共有
タレマネ
人材育成
ツール導入ノウハウ
Excel
業務効率化

ChatGPT有料版にメールとチャットのデータを学習させて「社内版GPT」を作る方法

January 9, 2025

はじめに:ChatGPT PlusとGPT builderで実現する「社内版GPT」

AIによる自然言語処理が進化し続ける中、企業が蓄積したドキュメントや問い合わせ履歴を高度に活用したいというニーズは高まっています。特にChatGPT Plusは、GPT-4など最新モデルへの優先アクセスや高速応答などの特典を備えており、さまざまな“社内の知恵袋”を構築するための基盤として非常に魅力的です。

その上で、近ごろ注目されるのが「GPT builder」や「GPTsカスタム機能」を使ったアプローチです。従来、企業独自のデータを組み込むにはファインチューニングや外部データ検索型のRAGなどが一般的でした。しかし、OpenAIの提供するGPT builderを用いれば、ある程度の技術知識は必要なもののGUIベースでスムーズに“カスタムGPT”を作成できるようになりました。

今回の記事では、メールやチャットログといったテキストデータを活かして「社内版GPT」を作る具体的な手順と、運用のポイントについて解説します。実際にGPT builderを使うシーンを想定したつまずきポイントの対処法や、セキュリティを考慮した運用方法なども紹介していきます。

GPT builderを使ったカスタムGPTの全体像

GPT builderで何が変わるか

OpenAIが提供するGPT builder(またはGPTsカスタム機能)は、企業独自のデータをアップロードし、UI上でパラメータ設定を行いながら「独自のGPTモデルを生成」できる仕組みです。具体的には次のようなステップが一般的です。

1.データのアップロード

CSVやJSONなどのフォーマットで、メール本文やチャット履歴をまとめて一括アップロード。

2.トレーニング・バリデーション設定

簡易的にデータを学習させるためのパラメータ(テンプレート、プロンプト設計など)をGUI上で調整。

3.生成されたカスタムGPTの確認

作成されたGPTにテスト問い合わせを行い、応答をチェック。

4.APIまたはWeb UIでの運用

社内ポータルやチャットツールと連携して、社員が簡単に利用できるようにする。

ファインチューニングやRAGほど複雑な実装やコードの記述を要せず、比較的「ノーコード」に近い形でモデルが作れるのがGPT builderの特長です。とはいえ企業導入という観点では、データ前処理や権限管理に配慮しなければいけません。

適用シーンの広がり

GPT builderを使ったカスタムGPTは、以下のようなシーンで役立ちます。

社内FAQボット

長年蓄積されたメールやチャットから、よくある質問と回答をまとめて学習させる。

問い合わせ対応の半自動化

顧客からのメール対応テンプレートなどを参照し、自動回答や回答支援を行う。

ドキュメント検索の高度化

製品マニュアルや議事録が散在している場合に、一元的に検索・要約を可能にする。

データ準備と整形:メール&チャットログを活かすコツ

事前のクレンジング

最初にすべきは、企業が保有するメールやチャットログを一括で収集し、学習に適した形に加工することです。以下の点が重要になります。

個人情報のマスキング

氏名や住所、電話番号などが含まれる場合は、事前に置き換え・削除を行い、個人情報保護を徹底。

重複・スパムの除去

大量のチャットやメールにはノイズデータが多く混在している可能性が高い。内容の重複やスパムが含まれていれば取り除く。

文書のフォーマット統一

特にメールの場合、ヘッダ情報(日付、送信者、件名など)を分割して扱うか、一続きのテキストとして扱うかを決めて整形する。

ラベル付けとデータセット分割

GPT builderで学習させるとき、データのカテゴライズをしていくことが重要です。カテゴライズ自体も生成AIに実施させることができますが、

トピック別のラベル付け

「製品Aに関する問い合わせ」「人事関連質問」「システム障害報告」など、大まかにトピックをラベリングしておくと、学習精度が上がりやすい。

データセットの比率

8割程度を学習データ、残り2割程度を検証データとして使用するケースが多い。

メール&チャット量を見極める

数百~数千単位のやり取りがあれば、簡易的なモデルでもある程度の性能が期待できる。より詳細な応答精度を追求する場合は、1000件以上を目安にデータを用意したい。

GPT builderでのカスタムGPT作成ステップ(実例)

ここでは、実際にGPT builderを操作して「社内用の問い合わせ対応GPT」を作成してみる手順を、簡単な画面イメージとともに紹介します。

ステップ1:アカウントとプロジェクトの準備
ChatGPT Plusアカウントの用意

GPT builder機能を使うには、有効なChatGPT Plusサブスクリプションが必要です。アカウント作成後、まずは、有料プラン(Plus)の契約を行いましょう。

プロジェクトの作成

GPT画面へアクセスし、「GPTを探す」をクリックします。

「+作成する」をクリックします。

「社内問い合わせ対応GPT」などの「名前」を作成しましょう。

「説明」の欄には特に何かを書く必要はありませんが、何のために作成されたGPTなのかを明示しておくと、自分以外のメンバーがGPTを探すときに便利です。

「指示」の欄にはこのGPTにどのように振る舞ってほしいかを書きます。今回の例では社内問い合わせを行ってほしいので、以下のように書いてみましょう。

—----------

あなたは当社の社内問い合わせ担当者です。アップロードファイルの「Sample.csv」の内容に従って質問者に回答してください。

# 回答の際のツール

・ハルシネーションを起こさないでください。

・与えた情報に従って回答してください。

・挨拶には応じないでください。

・質問の意図が複数存在する場合、質問の意図を確認してください。

—----------

「会話の開始者」はチャット画面に最初に表示される文言です。最初にどのように質問してほしいかなどを記載しておくと良いでしょう。今回は「問い合わせ内容を入力してください」としておきます。

ステップ2:データのアップロード
CSVまたはJSON形式で用意

事前にクレンジング・ラベリングしたメール・チャットデータを保存しましょう。一般にCSVファイルが良いとされますが、Excelで作成することができます。。Excelで保存したあとに、CSVのファイル拡張子を選べますので、こちらでCSVファイルに変換しましょう。

なお、Excelの拡張子のままでもアップロードできますが、精度が若干落ちる可能性があります。また、マクロやVBAのコードは正常に反映されない可能性が高いです。(2024年1月執筆現在の状況)

UIでのアップロード

「知識」セクションから「ファイルをアップロード」してファイルを追加します。

アップロード完了後、プレビュー画面が表示され、想定どおりの内容が登録されているか確認しましょう。

ステップ3:機能の設定

現在、GPTでは、4つの機能を追加で指定できます。全てチェックしておきましょう。

ウェブ検索

AIが必要に応じてリアルタイムな検索を行い、オンラインの最新情報を回答に反映します。ニュースや統計などをその場で取得できるため、常に最新かつ正確な回答を提供しやすくなります。

キャンバス

テキストに加え、図形や画像、付箋などを使ってアイデアを視覚的に整理・共有できる機能です。ブレーンストーミングやプロジェクトのレイアウト作成に最適で、発想を形にしながら効率的に議論を進められます。

DALL·E 画像生成

テキストの指示を元に画像を生成するAI技術です。イメージやデザイン、イラストが必要なときに、キーワードや情景描写を入力するだけで手早くユニークな画像を得られるため、クリエイティブな作業を大幅に効率化できます。

コード インタープリターとデータ分析

Pythonなどのコードをチャット内で実行し、結果を即座に確認できる機能です。CSVやExcelファイルの集計、グラフ作成、簡易的な機械学習モデルの検証などを対話形式で行え、データ活用の作業効率が大幅に向上します。

最後に「作成する」ボタンを押して完了です。

ステップ4:公開

「作成する」ボタンをクリックすると、公開方法を選択できます。今回は社内用ですので、「リンクを受け取った人だけ」を選択し、同僚にシェアしましょう。

「GPTストア」を選択すると一般に公開され、利用料に応じて収益を得ることが可能です。


※researcHR(リサーチャー)は、Teamsに追加するだけでAIが自動で社内の情報/データを集約・共有するアプリです。分散された社内情報の集約や活用をご検討の方は、ぜひお問い合わせください。


セキュリティと運用上の注意点

1 データ保護
リンクの管理

作成したリンクを管理し、必要以上のアクセスを避けましょう。

アップロードデータの扱い

特定の個人情報や機密情報を誤って含むことがないよう、事前のクレンジングルールを徹底しましょう。

2 社内浸透施策
トライアル導入での小規模テスト

いきなり全社員に公開するのではなく、一部部署で試運用し、社内ニーズを把握しながらバグや誤回答を改善しましょう。

FAQ整備とガイドライン

「どんな質問をするときに使えるのか」を社内向けにわかりやすく示し、モデルへの適切な問い合わせ例や運用ガイドラインを共有しておきましょう。

3 定期的なリファイン
新データの学習

問題のある回答が生じた場合、適切な回答例をメールやチャットログから再抽出し、追加データとして学習させましょう。

まとめ:カスタムGPTで創るAI時代のナレッジ活用

今回の記事では、ChatGPT PlusのGPT builder機能を使い、企業内で蓄積されるメール・チャットデータを活用した社内版GPTを構築する手順をご紹介しました。従来のファインチューニングやRAG方式よりも、比較的ノーコードで取り組みやすい反面、データ整形やラベリングといった前処理が重要になる点は変わりません。

カスタムGPTを導入すれば、過去の問い合わせ履歴やマニュアルを迅速に参照できる“社内の情報ハブ”を構築できるだけでなく、部署ごとに異なる問い合わせや特定のプロジェクト情報にも柔軟に対応可能です。さらに、利用実績や回答精度のフィードバックを継続的に反映させることで、モデルは高い業務効率化効果を発揮するようになるでしょう。


本記事はKBE(株)がresearcHR(リサーチャー)を提供する過程で蓄積された、現場の声やノウハウ・事例をもとに作成しております。

【Teamsに追加して使える】社内ナレッジ集約ツール
researcHR(リサーチャー)
チームの「誰が・何を知ってるか」を集約・蓄積

✅ナレッジ共有、属人化の解消
社内問い合わせの効率化
新人・異動者のフォローアップ
にお困りの際はぜひご相談ください。

researcHR(リサーチャー)について無料デモを見る

また、KBE(株)では、Teamsの運用・利活用コンサルティングを行っております。
企業やチームに最適のTeams運用方法を設計します。初回のご相談無料ですので、ぜひ一度お試しください。

Teams運用・利活用コンサルティングについて

Teams活用お役立ち資料集(無料配布中)

おすすめ記事

◆【マネージャー向け】Teamsお役立ち資料(※無料配布中)

KBE株式会社が、ナレッジ共有TeamsアプリresearcHRを提供する過程で蓄積された、様々な企業のTeamsアプリ活用事例をお伝えします。

◆Teamsの基本ガイド

Teams/Slack活用事例

KBE株式会社では、ナレッジ共有TeamsアプリresearcHRを提供しています。(Microsoft公式ソリューション、日経新聞に掲載)

その過程で蓄積された様々な企業のTeams/Slack運用事例をお伝えします。

資料請求(無料)

Teams/Slack+AI活用事例集

Teams/Slack利用企業の「活用事例集」を無料でご提供いたします。

無料ダウンロード

コンディション
分析・レポート サービス

researcHRは、Teamsに追加するだけで、
メンバーの「誰が・何を知っているか」を自動で収集し、
回答をAIが自動でポジティブ・ネガティブチェックすることで、自然なデータを算出。

さらに、算出されたデータから「要注視」ポイントをレポートでお渡しします。

サービスページ

新着コラム

Teams運用ガイドライン
作成サービス

Teams運用・利活用
コンサルティング

Teams運用・利活用コンサルティングでは、
researcHRを提供する過程で蓄積された様々な企業のTeams活用事例をお伝えします。
また、導入前段階における「Teamsの基本的な使い方」「活用方法」への支援実績も多く、企業やチームに最適の運用方法を設計します。
初回のご相談無料ですので、ぜひ一度お試しください。

お問い合わせサービス詳細

Teams/Slack活用事例

Teams/Slack利用企業の「活用事例集」を無料でご提供いたします。

Teamsを活用した
マネジメント事例集

資料請求(無料)

Slackを活用した
マネジメント事例集

資料請求(無料)
ブログ トップページ

researcHR(リサーチャー)

Teams/Slackに追加するだけで
「誰が・何を知っているか」を集約・共有する人事AIアシスタント

Teamsアプリを活用した
「誰が何を知っているか」の集約・共有 事例集

※Teams×ChatGPTを用いたナレッジ活用事例を、
わかりやすくご紹介します。

資料をメールで受け取る
Copyright © 2020 researcHR. All rights reserved.
Teamsアプリを活用したマネジメント事例集

“Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit. Suspendisse tincidunt sagittis eros. Quisque quis euismod lorem.”

Author Name

Co-Founder and CEO of Company

お役立ち資料(無料配布中)

お役立ち資料(無料配布中)

Teams/Slackを活用事例集
マネジメントプラン紹介資料
ダウンロード
Teams/Slackを活用した
マネジメントTIPS集

Teamsアプリを活用したマネジメント事例集

KBE株式会社が、ナレッジ共有TeamsアプリresearcHRを提供する過程で蓄積された、様々な企業の「Teamsアプリを活用したマネジメントの事例やTIPS」をお伝えします。

「マネジメント」お役立ち資料一覧

「researcHR」サービス紹介資料

「マネジメント」お役立ち資料一覧

「researcHR」サービス紹介資料

Teamsに追加して使える

ナレッジ共有ツール researcHR(リサーチャー)

researcHRをTeams/Slackに追加するだけで、AIがメンバーの状況を収集するため、業務の状況やナレッジが自動で蓄積されます。

既存のナレッジ共有ツールやシステムで、「ログインされない」「データ入力/更新されない」「検索・活用できない」といった悩みを抱える方は、ぜひお問い合わせください。

researcHRについての資料をメールで受け取るTeams/Slackを活用事例集
マネジメントプラン紹介資料
ダウンロード
Teams/Slackを活用した
マネジメントTIPS集

researcHRのパッケージ一覧

若手・異動者 オンボーディング

新入社員や異動者の受け入れ、早期戦力化なら。週報やメンター制度の置き換えにも

問い合わせ管理

社内問い合わせの一元管理、効率化なら。履歴データを蓄積してナレッジ化、属人化解消にも

営業力強化

営業事例、提案資料等の集約なら。若手-ベテラン間、拠点間の格差解消にも

工数管理

工数管理・見える化なら。週報やExcelの集計、BIツールからの置き換えにも

営業力強化

営業・提案資料を集約
提案作成を効率化・トップラインを向上

大手人材会社の事例

従業員数:5,000名以上

営業現場が全くナレッジ共有できておらず、フォルダ管理のルール等もない状態。ビジネスモデルが前金制のため、トップラインを伸ばすための施策が優先課題であった。
researcHRにとにかく投稿するルールで運用。新規提案時の提案内容や企業別での探索や提案草案の生成に活用。
技術ナレッジ

顧客やサプライヤーとのメール履歴を蓄積
技術ナレッジの探索を効率化

大手メーカーの事例

従業員数:5万名以上

技術ナレッジをスプシ入れるルールになっていたが運用・活用できていない状態だった。顧客やサプライヤーとのメールのやり取りをresearcHRに転送して集約
①部品番号・製品から、過去の不具合や図面と違う補足事項、過去見積もり価格を調べる②処理方法から、過去どんな製品を対応した実績があるか? 等の検索に活用。
若手・異動者 オンボーディング

メンター制度における日報として活用
退職防止やナレッジ作成の仕組み化を実現

大手建設会社の事例

従業員数:1万名以上

新規でメンター制度を構築し、researcHR上で入社1〜2年目向けの日報を運用。新人・メンター双方の悩み・ナレッジを回収し、AIに分析させることで、制度の運用状況の可視化悩みや不調の検知ナレッジ化のサイクルを仕組み化。
現在は、対象の幅を広げベテランのナレッジを総合職の若手へ伝承する取り組みも実施中。
問い合わせ管理

メール/電話での問い合わせ対応を置き換え
類似問い合わせを削減

老舗メーカーの事例

従業員数:500名以上

複数拠点からシステム部への問い合わせが多く、電話とメールで個別に来るため履歴管理が困難。システム部の3名しか分からないことも多く、対応状況や過去の対応履歴もブラックボックス化しやすい状態だった。
現在は、問い合わせの窓口をresearcHRに一本化蓄積データを活用したFAQ生成レコメンドによる類似問い合わせ削減も効果

Teamsに追加して使える

ナレッジ共有ツール
researcHR(リサーチャー)

✅ナレッジ共有、属人化の解消
社内問い合わせの効率化
新人・異動者のフォローアップ
にお困りの際はぜひご相談ください。

researcHRをTeams/Slackに追加するだけで、AIがメンバーの状況を収集するため、業務の状況やナレッジが自動で蓄積されます。

既存のナレッジ共有ツールやシステムで、「ログインされない」「データ入力/更新されない」「検索・活用できない」といった悩みを抱える方は、ぜひお問い合わせください。

researcHRについての資料をメールで受け取るTeams/Slackを活用事例集
マネジメントプラン紹介資料
ダウンロード
Teams/Slackを活用した
マネジメントTIPS集

※KBE株式会社が、ナレッジ共有TeamsアプリresearcHRを提供する過程で蓄積された、
様々な企業のTeams/Slack運用事例をお伝えします。

【すぐわかるresearcHR資料セット】
※researcHRをはじめて知っていただく方に向けて、わかりやすく基本機能や活用シーンをご紹介します。