AIによる自然言語処理が進化し続ける中、企業が蓄積したドキュメントや問い合わせ履歴を高度に活用したいというニーズは高まっています。特にChatGPT Plusは、GPT-4など最新モデルへの優先アクセスや高速応答などの特典を備えており、さまざまな“社内の知恵袋”を構築するための基盤として非常に魅力的です。
その上で、近ごろ注目されるのが「GPT builder」や「GPTsカスタム機能」を使ったアプローチです。従来、企業独自のデータを組み込むにはファインチューニングや外部データ検索型のRAGなどが一般的でした。しかし、OpenAIの提供するGPT builderを用いれば、ある程度の技術知識は必要なもののGUIベースでスムーズに“カスタムGPT”を作成できるようになりました。
今回の記事では、メールやチャットログといったテキストデータを活かして「社内版GPT」を作る具体的な手順と、運用のポイントについて解説します。実際にGPT builderを使うシーンを想定したつまずきポイントの対処法や、セキュリティを考慮した運用方法なども紹介していきます。
OpenAIが提供するGPT builder(またはGPTsカスタム機能)は、企業独自のデータをアップロードし、UI上でパラメータ設定を行いながら「独自のGPTモデルを生成」できる仕組みです。具体的には次のようなステップが一般的です。
CSVやJSONなどのフォーマットで、メール本文やチャット履歴をまとめて一括アップロード。
簡易的にデータを学習させるためのパラメータ(テンプレート、プロンプト設計など)をGUI上で調整。
作成されたGPTにテスト問い合わせを行い、応答をチェック。
社内ポータルやチャットツールと連携して、社員が簡単に利用できるようにする。
ファインチューニングやRAGほど複雑な実装やコードの記述を要せず、比較的「ノーコード」に近い形でモデルが作れるのがGPT builderの特長です。とはいえ企業導入という観点では、データ前処理や権限管理に配慮しなければいけません。
GPT builderを使ったカスタムGPTは、以下のようなシーンで役立ちます。
長年蓄積されたメールやチャットから、よくある質問と回答をまとめて学習させる。
顧客からのメール対応テンプレートなどを参照し、自動回答や回答支援を行う。
製品マニュアルや議事録が散在している場合に、一元的に検索・要約を可能にする。
最初にすべきは、企業が保有するメールやチャットログを一括で収集し、学習に適した形に加工することです。以下の点が重要になります。
氏名や住所、電話番号などが含まれる場合は、事前に置き換え・削除を行い、個人情報保護を徹底。
大量のチャットやメールにはノイズデータが多く混在している可能性が高い。内容の重複やスパムが含まれていれば取り除く。
特にメールの場合、ヘッダ情報(日付、送信者、件名など)を分割して扱うか、一続きのテキストとして扱うかを決めて整形する。
GPT builderで学習させるとき、データのカテゴライズをしていくことが重要です。カテゴライズ自体も生成AIに実施させることができますが、
「製品Aに関する問い合わせ」「人事関連質問」「システム障害報告」など、大まかにトピックをラベリングしておくと、学習精度が上がりやすい。
8割程度を学習データ、残り2割程度を検証データとして使用するケースが多い。
数百~数千単位のやり取りがあれば、簡易的なモデルでもある程度の性能が期待できる。より詳細な応答精度を追求する場合は、1000件以上を目安にデータを用意したい。
ここでは、実際にGPT builderを操作して「社内用の問い合わせ対応GPT」を作成してみる手順を、簡単な画面イメージとともに紹介します。
GPT builder機能を使うには、有効なChatGPT Plusサブスクリプションが必要です。アカウント作成後、まずは、有料プラン(Plus)の契約を行いましょう。
GPT画面へアクセスし、「GPTを探す」をクリックします。
「+作成する」をクリックします。
「社内問い合わせ対応GPT」などの「名前」を作成しましょう。
「説明」の欄には特に何かを書く必要はありませんが、何のために作成されたGPTなのかを明示しておくと、自分以外のメンバーがGPTを探すときに便利です。
「指示」の欄にはこのGPTにどのように振る舞ってほしいかを書きます。今回の例では社内問い合わせを行ってほしいので、以下のように書いてみましょう。
—----------
あなたは当社の社内問い合わせ担当者です。アップロードファイルの「Sample.csv」の内容に従って質問者に回答してください。
# 回答の際のツール
・ハルシネーションを起こさないでください。
・与えた情報に従って回答してください。
・挨拶には応じないでください。
・質問の意図が複数存在する場合、質問の意図を確認してください。
—----------
「会話の開始者」はチャット画面に最初に表示される文言です。最初にどのように質問してほしいかなどを記載しておくと良いでしょう。今回は「問い合わせ内容を入力してください」としておきます。
事前にクレンジング・ラベリングしたメール・チャットデータを保存しましょう。一般にCSVファイルが良いとされますが、Excelで作成することができます。。Excelで保存したあとに、CSVのファイル拡張子を選べますので、こちらでCSVファイルに変換しましょう。
なお、Excelの拡張子のままでもアップロードできますが、精度が若干落ちる可能性があります。また、マクロやVBAのコードは正常に反映されない可能性が高いです。(2024年1月執筆現在の状況)
「知識」セクションから「ファイルをアップロード」してファイルを追加します。
アップロード完了後、プレビュー画面が表示され、想定どおりの内容が登録されているか確認しましょう。
現在、GPTでは、4つの機能を追加で指定できます。全てチェックしておきましょう。
AIが必要に応じてリアルタイムな検索を行い、オンラインの最新情報を回答に反映します。ニュースや統計などをその場で取得できるため、常に最新かつ正確な回答を提供しやすくなります。
テキストに加え、図形や画像、付箋などを使ってアイデアを視覚的に整理・共有できる機能です。ブレーンストーミングやプロジェクトのレイアウト作成に最適で、発想を形にしながら効率的に議論を進められます。
テキストの指示を元に画像を生成するAI技術です。イメージやデザイン、イラストが必要なときに、キーワードや情景描写を入力するだけで手早くユニークな画像を得られるため、クリエイティブな作業を大幅に効率化できます。
Pythonなどのコードをチャット内で実行し、結果を即座に確認できる機能です。CSVやExcelファイルの集計、グラフ作成、簡易的な機械学習モデルの検証などを対話形式で行え、データ活用の作業効率が大幅に向上します。
最後に「作成する」ボタンを押して完了です。
「作成する」ボタンをクリックすると、公開方法を選択できます。今回は社内用ですので、「リンクを受け取った人だけ」を選択し、同僚にシェアしましょう。
「GPTストア」を選択すると一般に公開され、利用料に応じて収益を得ることが可能です。
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作成したリンクを管理し、必要以上のアクセスを避けましょう。
特定の個人情報や機密情報を誤って含むことがないよう、事前のクレンジングルールを徹底しましょう。
いきなり全社員に公開するのではなく、一部部署で試運用し、社内ニーズを把握しながらバグや誤回答を改善しましょう。
「どんな質問をするときに使えるのか」を社内向けにわかりやすく示し、モデルへの適切な問い合わせ例や運用ガイドラインを共有しておきましょう。
問題のある回答が生じた場合、適切な回答例をメールやチャットログから再抽出し、追加データとして学習させましょう。
今回の記事では、ChatGPT PlusのGPT builder機能を使い、企業内で蓄積されるメール・チャットデータを活用した社内版GPTを構築する手順をご紹介しました。従来のファインチューニングやRAG方式よりも、比較的ノーコードで取り組みやすい反面、データ整形やラベリングといった前処理が重要になる点は変わりません。
カスタムGPTを導入すれば、過去の問い合わせ履歴やマニュアルを迅速に参照できる“社内の情報ハブ”を構築できるだけでなく、部署ごとに異なる問い合わせや特定のプロジェクト情報にも柔軟に対応可能です。さらに、利用実績や回答精度のフィードバックを継続的に反映させることで、モデルは高い業務効率化効果を発揮するようになるでしょう。
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